がん遺伝子治療についてご存知でしょうか。

遺伝子治療とは、正常に機能しなくなった細胞を直接治療することで遺伝子のレベルでさまざまな疾患に働きかける、最先端の医療技術です。このがん遺伝子治療はそれのみの治療も行えますが、がんの三大標準治療(外科的手術、抗がん剤治療、放射線治療)と併用することもできます。併用することで再発を防止する確率が上がるとも言われています。

例えば『子宮体がん』の標準治療法は以下の4項目があげられます。

(1)手術による病巣の摘出
(2)抗がん剤治療
(3)放射線治療
(4)緩和ケア

(1)(3)は病巣部分のみに焦点をあてて行う局所治療となります。
(2)は点滴による全身治療となります。
(4)は鼠径リンパ節や肝臓、肺などに遠隔転移がみられる場合や心臓病などの合併症があり、手術によるリスクが高い場合に行います。

子宮は中が空洞(子宮腔)の西洋梨のような形をしており、胎児が宿る球形の体部(上方)と膣に繋がる細い頸部(下方)から成ります。子宮体がんは子宮体部の内膜にできるがんであり、子宮頸がんとは性質が異なります。子宮体がんの特徴は閉経に向かう40台後半から増え始めるいことです。しかし最近では40歳未満でみつかる「若年子宮体がん」が増加しています。初期の症状は不正出血、月経周期あるいは月経量の乱れなどの症状がみられます。また経膣超音波検査より子宮内膜が異常に厚くなっていることがわかります。その場合は更に血液検査による腫瘍マーカー、肝機能検査、胸部X線検査などを行います。

がんの進行度(ステージ)、発症の部位や転移の有無などを確認し、これらの治療法を組み合わせ治療を進めます。特に子宮体がんの場合、治療の第1選択は手術による病巣の摘出となっています。そのため進行度の分類が手術前(臨床進行期分類)と手術後(手術進行期分類)と異なります。標準治療である外科的な治療をした後で進行度を再分類をします。また子宮体がんの場合は手術前に抗がん剤治療や放射線治療を行いがんを小さくする、ということはしません。再発のリスクの高い場合には、抗がん剤治療、放射線治療、黄体ホルモン療法(妊娠出産を希望している)を組み合わせて行います。

このように治療の進め方は、がんの進行度、転移の有無などにより変わってきます。そのため、患者さんにとって必要なことは正しい知識を持つことと複数ある選択肢を知ることではないでしょうか。

先に述べた4項目の標準治療は保険診療の対象とされています。保険診療の対象とされる治療法になるまでには一定数のエビデンスが必要です。その途中にある治療法には、ウィルス療法、IPS細胞を使用した医療技術、がん遺伝子治療などがあります。これらの治療法は新しい治療法として今後を嘱望されています。

また、がん遺伝子治療は自由診療となるため、医療機関や主治医の先生とより深く質の良いインフォームドコンセントが必須です。またがん遺伝子治療を行う医療機関にセカンドオピニオンとしての役割を求めることも選択肢を増やすことにつながるかと思います。

がん遺伝子治療はまだまだ開発中の治療法です。日本人は海外と比べると受動的な医療環境と表現されることもあります。気になった症例のことなどは医療機関に相談し、正しい知識を持ち、安心して治療に臨むことのできる環境を整えていただきたいと思います。

保健師/看護師
石毛 陽子

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