今回は「患者となる準備のために」というテーマで、医療を受けるためのお金に関わるお話をさせていただきたいと思います。

皆さんは「治療費」と聞くと、どんなことを想像するでしょうか?高い薬のことや、最先端の手術費用などを考える人もいらっしゃるのではないでしょうか。この治療費は、国が認めている「保険診療」の治療費と、保険診療ではない「自由診療」の治療費の大きく2種類に分けることができます。保険診療では皆さんがお持ちの健康保険証を使うことで、私達が病院でお支払いする費用は限られた額になっていきます。

一方、自由診療は、病院が独自で金額を決めて提供するものなので、一般的には保険診療より高額です。特にがん治療の場合、保険適応されていないお薬などがありますので、それを病院で先駆的に行っている場合(先進医療)は、全額患者さんの負担になってしまいます。つまり、病院独自で金額を決める自由診療は、病院ごとで金額差があるということになります。身近なところで例えるならインフルエンザの予防接種です。A病院では1回4000円だったのに、B病院では5000円だったという話を聞いたことがありませんか?自由診療はお金も高くなりますし、差が生まれやすくなりますので、治療を受ける前に病院に問い合わせることも治療費を考える上で良い視点になるかもしれません。

さて、今回お話させていただくのは、保険診療の治療費をおさえる方法についてです。皆さんは「高額療養費制度」をご存知でしょうか?最近ではテレビや雑誌などで取り上げられることが多くなってきたこの制度ですが、一言でいえば「月単位の保険診療でどれだけ高額な治療を行っても、限度額以上は払わなくて良い」という制度です。

病院窓口などで治療費をお支払いした際に、この手続きを皆さんが加入されている公的医療保険者(健康保険組合・協会けんぽの都道府県支部・市町村国保・後期高齢者医療制度・共済組合など)へ高額療養費の支給申請書を提出や郵送することで支給が受けられます。会社勤めの人であれば、会社の総務課や経理課などで一括して対応してもらえる場合があります。申請の際に病院などの領収書の添付を求められる場合もありますので、お支払いした領収書は無くさないように保管しておいてください。申請を行って受理された場合、窓口で限度額以上に払い過ぎていた費用が戻ってきます。ここで注意が必要なのは、あくまでも「治療費」であり、治療費以外にかかる食費や居住費、希望によって利用した差額ベッド代や先進医療にかかる費用などは、残念ながら高額療養費の支給対象にはなりません。また、限度額を超えて払い過ぎた費用が戻ってくるには、約3カ月程度かかることが想定されます。時間差があることをご承知おきください。
 
なお、この制度は平成29年8月から改正され、限度額の規定が見直されています。治療が高額になることが予想される場合は、皆さんが加入している保険者に連絡をして、ご自身の限度額を把握されてみてはいかがでしょうか。お金に関わる不安が少しでも小さくなれば、治療との向き合い方も変わっていくかもしれません。

社会福祉士
佐々木

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