単に患者さんの痛みを和らげ、
弱って死ぬのを待つだけという
イメージがつきまとう 「緩和ケア」

しかし、緩和ケアを選び、
最後まで普段通りに仕事を続け、
家族と価値ある時間を過ごせた人たちも
たくさんいらっしゃいます。

今日は、その1人である男性の話を
紹介いたします。

群馬県伊勢崎市に住む、
Mさん(当時62歳)は、
大腸がんが見つかり、
長女が勤務する
市民病院で左半結腸を切除しました。

この時、リンパ節転移が確認され、
抗がん剤治療が始まりましたが、
副作用が強く、運送の仕事を辞め、
自分の部屋に引きこもってしまいます。

その後も、抗がん剤治療に耐え続けましたが、
2年後に今度は肝臓に転移が見つかります。

そんなとき、高崎市内にある緩和ケア診療所を
すすめられます。
そのとき主治医が
「患者にとって大切なのは、
命が延びることだけではなく、
その人が楽しく、
自分らしく生きることです。
緩和ケアは諦めじゃない。
“攻めの医療”です」
と言った言葉に背中を押されました。

そのおかげで、自宅の庭で、梨や梅、
キウイの木などの手入れができるようになったり、
念願だった孫とのキャッチボールも実現して、
家族との安息の日々が訪れました。

一時は、大量に吐血して意識不明になりましたが、
長女も仕事を休み、家族で一緒に在宅で
御本人を介護し、歩けるようにまで回復。

そして、緩和ケアを受け始めて約1年後
奥さんに手を握られながら静かに息を引きとられました。

現在では、「緩和ケア」も、がんと宣告されてから
そして、がんでない病気の人々にも必要だと
分かってきました。

私も、4年間緩和ケア病棟を経験し、
一般病棟では中々できなかった「緩和ケア」の
奥深さを知り、身につけることができました。
そのなかで、在宅で看取ることが増えていく現実を知り
病院の外でも、緩和ケアを提供することの大切さを
実感しています。

看護師
かたおか さちこ

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