今回も生化学関連より腎臓に関係する検査項目の説明をしていきたいと思います。そもそも腎臓にはさまざまな働きがありますが、重要な働きとして体内を流れる血液を糸球体(しきゅうたい)という部位でふるいにかけ、老廃物を取り除いて、尿として体外に排泄させ、血液をきれいに保つ役割があります。その機能の指標となる項目として Cre があげられ、その影響により左右される項目として UA があげられます。

■腎機能

1.Cre ; creatinine (クレアチニン)→ 基準値 男: 0.6 ~ 1.1 mg/dL  女: 0.4 ~ 0.7 mg/dL

1-1.Cre (クレアチニン)とは
蛋白質を摂取すると、胃や腸などでアミノ酸に分解され、吸収されたアミノ酸は肝臓で合成されます。そのなかの一つとしてクレアチンという物質が合成され、クレアチンは筋肉に取り込まれます。そして、クレアチンは筋肉を使用する際のエネルギー源を作るために分解され、最終的に Cre になります。腎臓は体内に必要なものは再吸収し、不必要なものは尿として体外に排泄します。Cre の場合は食事による影響を受けることがなく、腎臓で再吸収されることもないため、ほとんどが尿中に排泄されます。そのため、Cre を測定することにより腎機能の状態を把握する項目として優れています。また、Cre は先生が薬を出すことや体に負荷をかける検査(造影 CT など)の前にも測定され、その結果で検査をするかしないかの指標としても重要な検査項目になります。

1-2.異常とその原因
高値の場合は糸球体での老廃物の排泄低下(慢性腎障害、腎不全、尿毒症など)、筋肉量増加(末端肥大症、筋トレなどによる筋肥大など)、脱水・火傷があげられます。
低値の場合は筋肉量の低下(筋ジストロフィー、寝たきり状態による筋肉の減衰、肝障害、尿崩症、妊娠など)があげられます。

2.UA ; uric acid (尿酸)→ 基準値 男: 3.6 ~ 7.0 mg/dL  女: 2.3 ~ 7.0 mg/dL

2-1.UA(尿酸)とは
主に魚介類(特に白子)やビールの酵母類に多く含まれている核酸の構成成分となっているプリン体の最終代謝産物が UA になります。そのほとんどが腎臓で再吸収され、一部が尿中に排泄されます。そのため、直接的に腎機能の指標としてはみられませんが、腎機能の影響を受けやすい項目になります。

2-2.異常と原因
高値の場合は尿酸の過剰産生(アルコール多飲、核酸含有量の多い食品の摂取、抗がん剤による核蛋白の崩壊など)、尿酸排泄の低下(痛風、腎障害、アルコール多飲など)があげられます。また、低値の場合は尿酸産生の低下(肝障害、遺伝子異常であるキサンチン尿症など)、尿酸の排泄亢進(腎での再吸収障害や分泌亢進など)があげられます。

3.今回のまとめ
今回は腎機能に関係する項目として簡単ですが Cre と UA についてまとめました。次回は脂質項目について説明していこうと思いますので、ぜひご参考にしていただければと思います。

臨床検査技師
朝野

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