前回からの続き
これに対して「ケースワーク」という相談形態では、クライアントがコンサルタン
トの専門性を意識する必要がないのが大きな特徴です。なぜなら、ケースワークの
専門性は「目の前に現れた個々のクライアントの最良の援助法をクライアントとも
に見つけていくこと」にあるからです。もちろんケースワーカーが特定の分野の専
門家を兼ねていることもあります。たとえば、後で触れるように福祉、介護、看護
、心理などの専門家がケースワーカーを勤めていることも多いでしょう。
ケースワーカーを務めている人の中で最も多いのは、「社会福祉士」という資格を
持った人です。社会福祉士は福祉の分野の専門家であると同時に、各種公的サービ
スを統合してクライアントに最適な援助をコーディネートする、ケースワークの専
門家でもあります。単一の資格としては最もケースワーカーに適した職種であると
いえます。実際に、筆者が知っているがん相談支援センターの職員の半分以上はこ
の社会福祉士であるとのことです。
そのほか、ケースワーカーを務めうる職種としては看護師、保健師、精神保健福祉
士、臨床心理士、介護福祉専門員(ケアマネージャー)、社会保険労務士などが考
えられます。それぞれの専門性を生かすと同時に、ここが大事なのですが、専門性
に閉じこもらず、あくまであなたの最大幸福のために支援の方策を考えてくれるで
しょう。
だんだんケースワークの輪郭が見えてきましたか? もっと深いイメージ持つため
に、ここでその言葉の意味も考えてみましょう。case work という英語をカタカナ
で表したのがケースワークです。caseというのは「個別性、個人性、特殊性、事例
性」というような意味を持ちます。つまり、「クライアントはひとりひとり違う存
在であり、抱えている問題も、望んでいる解決法も、使える社会資源もさまざまに
違う。そういった多様性を受け止めたうえで(case)、あらゆる分野の資源を統合し
て、最大幸福を目指す手伝いをする作業(work)」という意味なのです。

つづく

総合内科専門医/臨床心理士
飯島 慶郎

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