厚生労働省が発表した「不妊治療と仕事の両立に関わる諸問題についての総合調査研究事業(2018年3月)」によると、不妊治療をしたことがあると答えた人のうち、不妊治療と仕事の両立ができずに退職した方は16%でした。
つまり、職場で一緒に働く女性10人のうち1人以上が、職場の同僚や上司に不妊治療中であることをいえずに(または理解が得られず)職場を去っている可能性があるということです。

今や「不妊治療」という言葉そのものは認知されてきていますが、治療内容や行程などの詳細についてはまだ認知が低く、周囲からの理解がされにくいことも要因の一つだと考えられます。今回の「不妊治療を語る女子会」では、妊活中の夫婦、もしくは不妊治療を検討中の夫婦に向けて、治療と仕事の両立について語ります。

■不妊治療と仕事の両立が難しいと感じた人は8割強

同アンケート結果では、実に87%の人が「治療と仕事の両立が難しい」と回答しています。
そこで難しいと感じた理由のTOP3をご紹介します。

<難しいと感じる理由>
通院回数が多い。
精神面での負担が大きい。
待ち時間など通院時間にかかる時間が読めない、医師から告げられた通院日に外せない仕事が入るなど仕事の日程調整が難しい。

そのほかにも、病院と職場と自宅の移動が負担であること、体調・体力面での負担が大きいという回答もありました。治療と仕事の両立が困難で退職した人も同理由が多く、特に女性側の負担感が非常に重いと感じられる結果が示されています。

■不妊治療と仕事の両立は大変 ―経験者の生の声―

不妊治療と仕事を両立してきた、また両立中の女性からの声をご紹介します。

ナイーブな話だけに男性社員には話しにくいし、結婚していない女性や上司には理解されにくかった。「明日また遅刻?」と不愉快に思われているのではないかと思うと、職場での居心地が悪かった。

仕事しながらだと夜間診療している病院に間に合うように必死に仕事したり、休みづらかったり、仕事が終わってから診療して帰宅したら夕飯作ったりと、仕事と治療との両立が本当に大変です。

旦那さんはじめ、周囲の理解と協力がないと成り立たないなと思います。正直、今の仕事だと理解してもらうのは難しい環境です。仕事を辞めてしまうと保険の効かない不妊治療はお金もたくさんかかるので辞めることも難しい現状です。

不妊治療は、年齢が高くなるにつれて「妊娠」という確実なゴールの見えないマラソンから棄権しなければならない「体のリミット」と「金銭的限界」が訪れます。治療費を稼ぐためには働かなくてはいけないけれど、正社員で治療に通うのは本当に大変。なるべく通う回数を減らすための自己注射をしています。

1年治療をして授からず、体外受精に臨むことになった。家計を考えると1回きりしか
挑戦できないと思い、万全の体制にするため退職。たまたま運良く妊娠・出産できたが、もしあの時うまくいかなかったら……。仕事を辞めたことを後悔したと思う。

■さいごに

不妊治療にはお金がかかるもので、ステップアップしていけばいくほど治療費も高額になっていくのが現実です。もしあなたにとって、仕事が治療に支障が出るほど過度のストレスになるというのでなければ、仕事は続けた方がよい場合もあります。収入面で安定していることで精神的にも余裕をもてる人、仕事をすることで不妊治療の辛さを忘れ、精神的に安定する人もいるためです。

その一方、同調査結果によると不妊治療を職場に伝えていない人は4割弱ほどいることから、やはり職場に伝えないことで両立を難しくさせているケースも少なくないことがわかります。「知られたくない、周囲へ気遣いしてほしくない」という理由もあるでしょう。

それでも、仕事と不妊治療を両立してきた筆者個人としては、やっぱり両立するためには職場の理解が経験上大切ではないかと考えています。
厚生労働省が作成している「仕事と不妊治療の両立支援のために~働きながら不妊治療を受ける従業員へのご理解をお願いします~」というリーフレットなど活用しながら、職場へ理解を求めることで、両立への突破口にしてみてくださいね。

<資料>
・厚生労働省
「不妊治療と仕事の両立に関わる諸問題についての総合調査研究事業」結果報告書 
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000197936.html

有名雑誌や大手メディアでコメントするライターやTV出演もある女性陣を結集した女子会
不妊治療を語る女子会
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