前回に引き続き、今回も痛み止めについてお話したいと思います。

■麻薬性鎮痛薬の使い方
麻薬性鎮痛薬は基本的にNSAIDsといわれるロキソプロフェンやジクロフェナクといった一般
的にもよく使われる痛み止めと併用します。(腎機能や肝臓機能が落ちている場合はこの限
りではありません)麻薬性鎮痛薬は神経に作用して鎮痛作用を発揮する一方で、NSAIDsタイ
プの痛み止めは炎症を鎮め、痛みを感じる元となる物質を抑えるという効果の違いがあるた
めです。それぞれの得意分野を生かして相乗効果を狙うわけですね。麻薬性鎮痛薬という言
葉のインパクトから、どんな痛みでも取り去ることができそうだ、とイメージされる人は多くいら
っしゃいますが、実際はいち鎮痛薬に過ぎないのです。

前回、麻薬性鎮痛薬はベースとレスキューという長く効くタイプと短く効くタイプを使い分けて、
波のある痛みに対応するとお話しました。個人的な印象にはなりますが、麻薬性鎮痛薬をう
まく使いこなすコツはレスキューにあります。実際に使う患者さん自身がこのコツを覚えること
で痛み止めの満足度は著しく向上すると感じています。

そのコツとは「痛む前にレスキューを使う」ことです。患者さんと話していると大抵「痛くなる前
に、痛くなりそうな感じがある」と教えてくれます。(ない人もいますが…)この痛くなりそうなタ
イミングでレスキューをぜひ使ってみてください。レスキューは早く効きます、特に舌下錠やバ
ッカル錠のタイプは非常にすぐ効いてくれますが、それでも10分ほどはかかってしまいます。
痛くなってから使うとこの10分間はひたすら我慢しなくてはならない時間となり、苦痛が強くな
ってしまいます。さらに突発的な痛みはだいたい30分ほどで落ち着いてくることが多いといわ
れています。

少し痛みを我慢してからレスキューを使ったりすると、レスキューの効果で痛みがひいたのか
、自然に落ち着いたのか、どちらともとれないような状況にもなってしまいかねません。ですか
ら、痛くなりそうな、痛くなる前のレスキュー。これをぜひ実践していって欲しいと感じます。

■レスキューは使用回数制限なし
基本的にレスキューの使用回数制限はありません。効果が出る前に「効いてないな」と勘違
いして連用してしまうことを避けるために1時間以上あけて回数制限なしという指示が実際は
多いので、1日24回は使える。というように言い換えることもできます。(実際の医師より回数
制限の指示がある場合、それに従ってください。あくまで基本的な使用方法の話です)。

これはレスキューの使用状況・使用回数を元にベースの用量を決めたりするため、痛ければ
我慢せずに使っていただくことが大切になります。麻薬性鎮痛薬は同じ量を使っても人によっ
て効きめが異なり、個人差が強いお薬です。用量が増えていくのは不安なところでしょうが、
ご自分にあった用量を設定するためにも、痛みがあるようなら遠慮なくレスキューを使ってい
っていただければと思います。

薬剤師
深井

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