性行為感染症は、その名前のとおり、性行為によって感染する感染症です。ひとつの病気のことを
指すのではなく、多数の感染症が含まれます。このなかには、がんの原因となるもの、不妊の原因
となるもの、そして命を縮めてしまう危険性のあるものもあります。ここでは、性行為感染症によって
起こる合併症についてお話ししたいと思います。

■増加する性行為感染症
近年、日本では性行為感染症は増加しています。最も多いのがクラミジア感染症、次が性器ヘル
ペス感染症です。そして2010年以降急増しているのが梅毒です。女性は20歳代、男性は20〜40歳
代に増加の傾向が見られています。性行為感染症は、性交経験のある人なら誰にでも可能性はあ
ります。決してひとごとではないことを知ってきましょう。

■がんの原因となる感染症
性行為感染症で、がんの引き金となる可能性があるのが、ヒトパピローマウイルス感染症と
HTLVー1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)感染症、C型肝炎です。

ヒトパピローマウイルス感染症は、子宮頸がんや膣がんの原因となる可能性があります。このウイ
ルスには、100以上の型があり、性器にイボができる尖圭コンジローマを発症するものや、がんの
原因となる高リスク型などがあります。

HTLVー1感染症は、成人T細胞白血病などの血液のがんを引き起こす可能性のある感染症です。
発症すれば有効な治療法はなく、血液のがんの中でも最も予後不良な疾患のひとつです。
C型肝炎は、性交渉による感染の確率は低いものの、感染し慢性化すると、肝硬変や肝がんを発
症するリスクが高くなります。

■不妊症の原因となる性行為感染症
性行為感染症の中には、原因となる菌やウイルスが子宮や卵管、骨盤内に炎症を引き起こすもの
があり、不妊症の原因となるものがあります。特に多いのが、淋菌感染症とクラミジア感染症です。
この2つは、ほとんど症状がないまま進行していくため、気付いた時には妊娠が難しい状態におちっ
ている危険があります。また、妊娠できても子宮外妊娠や流産などの異常が起こる確率が高くなる
というリスクもあります。

■まとめ
性行為感染症を予防するには、コンドームの着用が重要になります。そしてもう1つ重要なのが、定
期的に婦人科検診を受けることです。婦人科検診を受けることによって、性行為感染症の早期発
見ができるほか、子宮頸がんや婦人科疾患の早期発見ができ、早い段階での治療が可能になりま
す。1年に1回は婦人科検診を受けるようにしましょう。

看護師
広田 沙織
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