今回は前回に引き続いて、災害時のがん患者さんのQ&Aを紹介します。

Q:鎮痛薬や抗うつ薬を服用している場合はどうすればよいでしょう?

A:鎮痛薬や抗うつ薬のなかにはいきなり服用を中止することで悪影響を及ぼすものがあります。主治医、受け入れ先の医師、あるいは薬剤師に抗がん剤治療について報告するときは、必ず鎮痛薬や抗うつ薬の服用についても報告し、服用継続について尋ねてください。現在も服用を続けている、服用を続けているが量を減らしている、あるいは手持ちの薬がなくなっている。などについて伝えてください。薬がなくなっている場合には何日間薬を服用していないのか伝えてください。また、念の為、避難所の看護師やスタッフ、あるいは家族や友人にはこれらの薬を服用していることを伝えておいたほうが良いでしょう。

Q:避難所で感染症や細菌から身を守るため、できることはなんでしょうか?

A:自分自身を守るためにできることを以下に示します。

・できるだけ頻繁に石鹸を使って手を洗いましょう。洗っている時間の目安は「ハッピーバースデートューユー」の歌を最初から最後まで歌い切るまで、とするとよいでしょう
・石鹸と水がない場合は手指消毒用アルコール除菌剤を使いましょう
・安全な水が手に入らないときや、その水の安全性がわからないときは1分間煮沸した水を飲みましょう
・肉は十分加熱し、果物や野菜は安全な水で十分に洗っていることを確認してください。室温で2時間以上放置された調理済み食品を食べないようにしてください
・医師から特に忠告がない限り、切り傷や創傷は清潔にして絆創膏で覆ってください。もし抗菌薬入りの塗り薬があれば活用しましょう
・可能ならば、できるだけ頻繁に入浴したりシャワーを浴びるようにしてください。また、可能な限り、清潔なタオルを使用してください。
・歯ブラシや洗っていない食器を他人と共有してはいけません。

 Q:避難所などで他の人々と別にしてもらうように頼むべきですか?「特別な支援」を行っている避難所への移動を頼むべきですか?

 A:災害が起こる前は、おそらく他の人々に囲まれて生活していたでしょうから、細菌を避けて病気の人から離れていれば、他の人々と一緒に生活しても大丈夫です。

以上になります。

今回のこともあって改めて感じたのですが、事が起こった瞬間というのはとっさに色々な判断が出来ず動けなくなってしまうものです。普段からの準備が何より大事であるということを痛感しました。

 また、このQ&Aは米国のものですが、日本の場合はお薬手帳というものがあります。自分の使用している薬と用法用量がひと目でわかる非常に便利なものですし、アレルギー歴、副作用歴、治療歴なども書き込むことができるため、東日本大震災のときもとても活躍したそうです。普段から備えてすぐ持ち出せるようにしておくことをおすすめします。

薬剤師
深井

この執筆者の記事一覧

様々な副作用の対処法

がん治療の選び方

がん治療薬について

薬剤師の頭のなか

医療者コラム

PAGE TOP