ダイエットは女性にとっては重大な関心事の一つ。世の中にはさまざまなダイエット方法が流
布していますが、運動や食事のレシピ以外にも、食べ方がダイエット方法となりうるということ
はご存じでしょうか?今回はダイエットをするすべての人必見の、誰でも簡単に実践できる「
太りにくい食べ方」を紹介します。

■“DIT”がカギ!
食べ方と太りやすさが関連する要因として挙げられるのが、食事誘発性からだ熱産生(diet-
induced thermogenesis, DIT)と呼ばれる現象です。これは文字通り、食事によりからだで熱が
生まれることで、具体的には、食事を見たりにおいをかいだりすることにより神経が興奮する
ことによるエネルギー代謝の上昇がもたらす熱、そして消化吸収によるエネルギー代謝の上
昇により生まれる熱です。食事から得たエネルギーは、熱として消費されない分は脂肪として
蓄えられます。つまり、DITを高めるような食べ方をすれば太りにくいということです。

■脂肪分をとると太りやすい理由
ご存じのように脂肪分は高いエネルギーを持つため、肥満の原因になりやすい栄養素ですが
、DITの観点からも脂肪分の肥満への寄与の高さはうなずけます。タンパク質、炭水化物、脂
肪分の三大栄養素について、タンパク質の持つエネルギーは30%が、炭水化物のそれは10%
がDITとして消費されるのに対し、脂肪分の持つエネルギーはわずか7%しかDITにならないと
いう性質があります。つまり、三大栄養素の中で最も消費されにくいのが脂肪分なのです。

また、過剰なタンパク質や炭水化物は、体内で生化学的反応を受けて脂肪に変換されて蓄え
られますが、この変換の過程で20%前後のエネルギーの損失が起きるのに対し、脂肪分はそ
うした変換が起こらずほぼエネルギー消費をされないまま蓄えられるため、肥満の原因となり
やすいという側面もあります。

■DITを高める食べ方
ではどのような方法で食べれば、同じ食事のメニューでもDITは上げられるのか?それには
以下のような方法があります。

➀温かいものを食べる
温かいものを食べてからだを温めると、体内の熱産生が活発になります。つまりDITが上がり
、エネルギー消費が促されるということです。

➁小分けして食べる
同じ量の食事でも、一度に食べる場合と小分けにして時間をおいて食べた場合とでは、後者
の方がDITが高くなるというデータ(※1)があります。一度の食事で一気に満腹になる、という
食事方法は太る原因となりえます。

➂味や香りや見た目を楽しむ
味、香り、見た目を楽しむ、つまり「おいしく食べる」ことで、視覚や嗅覚、味覚を刺激すること
となり、ノルアドレナリンというエネルギー消費を活発にするホルモンが分泌されます。これに
よりDITが上がり、太りにくくなります。痩せるためとはいえいつも味気のない栄養補助食品の
ようなものばかり食べる生活では、ダイエット効果が減弱してしまうかもしれません。

ダイエットのためには運動や食事のメニューのほか、食べ方も重要です。とくに気持ちの面も
大切だとは、意外に思う方もいらっしゃるでしょう。どうせならばおいしく食事をとり、楽しみな
がらダイエットをしていきましょう。

※1
LeBlanc J : Nervous and endocrine control of meal thermogenesis. In : Bray GA, et al., eds.,
Diet and Obesity, Japan Scientific Societies Press, Tokyo, pp. 61-69, 1988.

医療者編集部
スポーツ医学と運動科学ラボ
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