前回からの続き

ところで、人というものは気分が良くなったり悪くなったりを繰り返していますよ
ね。では、あなたはどういうときに気分が良くなり、どういうときに気分が悪くな
りますか? 少し考えてみてください。

そうです、「いいこと」があったときに気分がよくなり、「悪いこと」があったと
きに気分が悪くなりますね。あまりにもあたりまえのことで、普段はまったく意識
しないことかもしれません。

では、あなたにとっての「いいこと」と「悪いこと」の違いはなんでしょうか?こ
れも考えたことありませんよね。あまりにも当たり前だからです。しかし、この「
当たり前」を深く考えるところが認知療法の入り口です。

たとえばあるとき、あなたが気分が悪くなったとします。それは「なぜ」なのかを
問うことから始めるのです。きっとあなたは、そのとき目の前に起こった出来事を
、自身の過去の経験や一般的知識に照らし合わせ、無意識に「良くないこと」と認
識(=認知)したのではないでしょうか。

そのあなたの無意識の判断結果は、脳内で大脳辺縁系や扁桃体に送られ、あなたに
不快な気分をもたらすことになります。つまり、あなたが不快な気分になったのは
、目の前の出来事は「不快に感じるべき良くないこと」であるとあなたが自動的に
考えたからに他なりません。

こうした無意識の価値判断をもたらす、普段は意識に上らない考えを認知療法の用
語では「自動思考」と呼びます。

つづく

医師 総合診療医/心療内科医/漢方医/産業医
飯島 慶郎(いいじま よしろう)

臨床心理士/産業カウンセラー/認定産業医
総合内科専門医/家庭医療専門医/東洋医学会認定医

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