今回は少し話題を変えて、最近使えるようになったばかりの新薬である、デュルバルマブにつ
いて紹介したいと思います。

※この記事は、アストラゼネカ英国本社が2017年5月1 日に発信したプレスリリースを日本語
に翻訳し、ご参考のために提供したもので、本資料の正式言語は英語であり、その内容・解
釈については英語が優先します。「デュルバルマブ(IMFINZI)、 既治療進行膀胱がん患
者さんを対象として、米国FDAより迅速承認を取得(公開日 2017年 5月 09日
)」https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2017/201705092.html

デュルバルマブは切除不能な局所進行非小細胞肺がんに対する治療薬として承認された抗
PD-L1ヒトモノクローナル抗体、つまり免疫チェックポイント阻害薬です。
他の免疫チェックポイント阻害薬と同様に、がん細胞が免疫から逃れる仕組みを阻害するこ
とにより、抗腫瘍効果を得る薬になります。
 
■ はじめての術後補助化学療法における免疫チェックポイント阻害薬
切除不能な局所進行の非小細胞肺がん(StageⅢ)は、通常、化学療法と放射線療法の併用
(CRT)による治癒を目標としますが、90%近くがCRT後に病勢進行・転移すると言われており
、5年生存率は約15%と報告されています。現在の標準治療はCRTしたあと、無治療での経
過観察に留まることから、新たな治療が強く望まれていました。
そのような状況のなか、2018年5月にデュルバルマブを切除不能な局所進行の非小細胞肺
がんを対象に投与したPACIFIC試験という試験の中間解析報告が行われました。白金製剤を
用いたCRT後の維持療法としてデュルバルマブが12ヶ月間投与された結果、プラセボの無増
悪生存期間中央値が5.6ヶ月であったのに対して、デュルバルマブは16.8ヶ月と、およそ11ヶ
月の延長が認められました。

■ デュルバルマブの副作用
有害事象については発疹(15.4%)、甲状腺機能低下症(10.5%)、下痢(9.7%)、肺臓炎
(9.5%)が報告されています。免疫チェックポイント阻害薬は使用をやめたあとでも副作用が
起きる可能性が報告されているため、12ヶ月間の治療終了後いつまで注意が必要かというこ
とも含めて、患者さん本人にもよく理解してもらい、なにか徴候があればすぐに知らせていた
だく必要があるでしょう。

現在、実はデュルバルマブはまだ発売前なのですが、対象患者さんの治療選択肢が極めて
限られているため、厚生労働省の定める「保険外併用療養費制度」のもと、デュルバルマブ
は限られた医療機関に用法用量・適応を遵守する条件に無償提供が発売日前日まで行われ
ています。

現在デュルバルマブは他の免疫チェックポイント阻害薬であるCTLA-4抗体薬トリメリムマブと
の併用で頭頸部がん、膀胱がんなどでも第三相試験が進行中で、今後さらなる適応の拡大
が期待されます。

薬剤師
深井

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