皆さんこんにちは。前回は「治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」のなかから、
両立支援を行うために事業者が行う環境整備について取り上げました。今回はそのなかでも
「両立支援に関する制度・体制などの整備」について掘り下げていきたいと思います。

【休暇制度の整備について】
・治療と職業生活の両立を進めるためには、両立支援の対象者となる働き手の疾病や治療
状況に合った休暇制度や勤務制度が使える選択肢と環境があることが重要です。

・「休暇制度」としては「時間単位の年次有給休暇制度」が代表的です。これは事業者側と働
き手側の双方にとってメリットがあります。固定労働時間制の職場で働いている場合、多くは
1~2時間程度の時間で済む持病による通院でも、半日の有給取得で対応することになり、ま
すます治療と仕事を続けることに制約が出やすい状況が生まれてしまいます。時間単位の年
次有給制度であれば、働き手にとっても有効に有給休暇を利用できることと、事業者側として
も働き手の満足度を高めることにつながります。

・また「傷病休暇」や「病気休暇」など、事業者が自主的に設ける法定外休暇が活用できる際
には、それぞれ事業者と相談していく必要があります。取得条件や取得中の賃金の発生の
有無などは事業所ごとに異なりますので、自分の働く場所にどのような休暇制度があるかも
う一度確認してみるのも良いかと思います。

【勤務制度の整備について】
・「勤務制度」としては「時差出勤制度」があげられます。フレックスタイム制度の導入がなされ
ている事業者もあると思いますが、働き手の状態に応じた始業や終業時刻の変更ができれ
ば、からだの負担が出やすい状況を時差出勤で緩和することが可能になります。

・また「短時間勤務制度」として、療育中や療育後のからだの負担軽減をはかることを目的と
して、所定労働時間を短縮する制度を取っている事業者もあります。

・さらに長期に渡り休業していた労働者に対して、円滑な復職を支援するために、勤務時間や
勤務日数を短縮した「試し出勤制度」を採用している事業者も出ています。

・近年ニュースでも話題にあがる「在宅勤務(テレワーク)制度」も活発に取り入れられてきて
います。総務省もICT(情報通信技術)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方と
して、ワーク・ライフ・バランスの実現と少子高齢化による労働人口全体の減少を改善する意
味合いで推奨していますが、治療と職業生活の両立をはかる上でテレワークは通勤によるか
らだの負担を軽減することにもつながり、働く時間に関しても自分のからだに合わせやすいこ
とも特徴です。

これら休暇制度・勤務制度は事業者側が独自に取り入れている制度が多く、全ての事業所で
採用されている訳ではありませんが、両立支援を行う上で受け入れに不安を感じている事業
者と働くことに不安のある働き手の双方にとって、不安を解消できる見える形での制度であり
、円滑な支援に向けて具体的な準備を双方共にすることが可能になります。少しでも多くの事
業者がこれらの制度を具体的にして働き手に公開されていくことが望まれます。

次回も引き続き、両立支援に関する制度・体制の整備内容について掘り下げていきたいと思います。

社会福祉士
佐々木

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