皆さんこんにちは。前回は「治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」の中
から、両立支援を行うために事業者が行う環境整備について取り上げました。ガイド
ライン上では4つ明記されており、1つは前回取り上げた「①事業所による基本方針等
の表明と労働者への周知」でした。残りの3つについて触れていきたいと思います。

研修などによる両立支援に関する意識啓発
両立支援は、当事者と事業所の管理職のみが把握していれば済むものではありませ
ん。前回も話題にあげましたが、職場で働く全ての職員が事業所による両立支援に
向けた基本方針を理解できるようにすることが重要であり、その認識を広めていくに
は研修などにおいて啓発活動をしていく体制が整備されていくことが重要です。当事
者も同僚も管理職も、基本的な認識を共有していくことで、両立支援を取り巻くさまざ
まな思い込みやハラスメントを軽減できると考えられます。

相談窓口などの明確化
両立支援の対象になり得るような持病を抱えている働き手に取って、自ら率先して事
業者側にプライバシーの最たる内容かつ雇用契約上働き手の不利益につながってし
まうと感じる情報を安易に打ち明けることは難しいと思います。そのため、働き手が安
全にかつ安心して相談できる窓口が明確になっていることが大切です。またそこでや
り取りされる個人情報がどのように利用されているかが分かるように、いわゆるプライ
バシーポリシーが明示されていることが重要です。

両立支援に関する制度・体制などの整備
「治療」と「働く」を両立するためには、勤務制度や休暇制度を働き手側の利用しやす
い状況になり得るように整備していく必要があります。両立支援の対象となるがんを
はじめとした疾患は、短期間の治療が定期的に繰り返す必要があるものや(例えば
外来で行うがんに対する化学療法など)、一定期間において副作用が出てしまうもの
(例えば化学療法による倦怠感やめまいなど)、体に負荷をかけ過ぎては治療の効果
が期待できなくなる場合があります。そのため、働き手の疾病の状況や今後の想定さ
れる治療内容、仕事が体に及ぼす影響などを共有できる仕組みや、事業者側が働き
手側に配慮できる働き方の提案や休暇の取りやすい仕組み作りが必要になってきま
す。

両立支援を進めていくためには、特に社内制度的にも「④両立支援に関する制度・体
制などの整備」は重要です。そして私たち働き手にとって、これらが具体的に運用でき
ている職場は、ワーク・ライフ・バランスの実現など事業者側が社会的な責任を果たし
ていることにもつながり、安心できる職場環境である目安にもなります。次回は両立
支援に関する制度・体制の整備内容について、掘り下げていきたいと思います。

社会福祉士
佐々木

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