皆さんこんにちは。前回からは「治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」の中身について触れていきました。今回はその中から事業者側が、治療と職業生活の両立を実現しやすい職場環境の整備についてどのように考えていくのか、ガイドライン上どのように明記されているのかをご紹介しながら、皆さんで理解を深めていきたいと思います。

【両立支援のガイドラインは、働き手と事業者との信頼関係を視覚化できる枠組み】
働き手にとって治療と職業生活の両立を成り立たせるためには、事業者側の理解が必要不可欠です。さらに言えば、事業者側が両立支援を行うための環境が整っていることが見えなければ、働き手は自身の、ともすれば秘匿しておきたい情報を発信できないと思います。働き手にとって持病があり、無理ができない状況は、「健康な人よりも働きにくい」「受診などの時間が制約となり職場での付き合いが悪くなる」など、非常に「負い目」となる気持ちになりがちです。その上、負い目に感じやすい働き手の情報は、職場の理解が無い場合は「ハラスメント」の対象になってしまいます。
働き手から率先して負い目に感じる内容や、雇用契約上働き手の不利益につながってしまうと感じる情報を意図的に事業者へ発信できる人は非常に少ないと思われます。そのため、事業者側が率先して「両立支援を行っている職場である」ことを見えるような形で示し続けることから、働き手は事業者を信頼できる実感が生まれ、事業者側も継続的な就業人材の確保や人材定着から安定経営につながるなど、双方にとって良い関係が生まれやすくなります。

【両立支援を行う事業者は、職員の意識付け・相談窓口・社内制度を整備している】
両立支援を行うために事業者が行う環境整備としては、ガイドライン上4つの内容が示されています。これらは「取り組むことが望ましい」というガイドライン上の表記ですが、私たち働き手にとっては、これらの内容は職場での「働きやすさ」を知る上での重要な手掛かりになり得ると私は感じています。

1 事業所による基本方針等の表明と労働者への周知
事業者として治療と職業生活の両立支援に取り組むにあたっては、その基本的な事業者としての方針や具体的な対応方法と職場での規則を作り、全ての労働者に周知していきます。両立支援の必要性や意味を事業者がどれだけ働き手に伝わるようになっているか、また両立支援を受ける働き手が、他の働き手との関係性の中で、互いに仕事がしやすい環境をつくるためには、働くすべての人が基本方針の共有をしていくことが必要不可欠です。

次回も引き続き、このガイドラインの中身についてご紹介をしていきたいと思います。

社会福祉士
佐々木

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