前回に引き続き、今回もがんによる痛みについてお話します。今回もオピオイド性鎮痛薬についてお話します。

■痛み止めの使い方
前回色々な痛み止めについて解説しました。これらの痛み止めはどう使うのでしょうか。WHO式三段階除痛ラダーという考え方があります。画像検索などすればすぐに出てきますが、痛みにはまず基本的にNSAIDs・アセトアミノフェンから開始していきます。(NSAIDs・アセトアミノフェンについては第34回の記事参照)これを通常用量使用し、それでも痛みが十分に抑えられない場合、オピオイドの導入になります。この際、NSAIDs・アセトアミノフェンは基本的に前回解説したとおり継続して使用します。オピオイドの使用は弱オピオイドであるトラマドールなどから行います。トラマドールを一定以上の量使用しても除痛が不十分の場合、強オピオイドの使用が検討されます。弱オピオイドと強オピオイドは基本的に切り替えて使います。

強オピオイドは前回の通り、複数の種類がありますが基本は同じように使います。細かなそれぞれの違いとして、腎臓が悪いときは向いていない、貼り薬があるので飲み込みが辛くても使える、といった特性はありますが、効果についてはほぼ同じ考え方でよいとされています。

■オピオイド性鎮痛薬の副作用とは
麻薬、と言われると当たり前ですがみなさん身構えます。ですが、オピオイド性鎮痛薬は麻薬とはいえ痛み止め以上でも以下でもありません。適切に使われた痛み止めが、がんや余命に悪影響を与えることを心配する必要はありません。むしろ適切な痛みのコントロールは自分らしく過ごす時間を与えてくれることのほうが多いでしょう。

とはいえ、オピオイド性鎮痛薬は副作用がないわけではありません。主な副作用としては便秘が挙げられ、眠気・吐き気が起きることもあります。考えようによってはドラッグストアなどに売っている痛み止めよりも使いやすい状況もあるといえます。便秘に対しては便を柔らかくする「酸化マグネシウム」や腸を刺激する「センノシド」などを使うことが多くあります。最近ではオピオイドによる便秘の副作用のみを起こらないようにする「ナルデメジン」という新しい薬もありますが、こちらは医療経済面の問題もあり必ず全員に同様に投与されるわけではないのが実情でしょうか。基本的には「酸化マグネシウム」などで十分に対応できることが多いのですが、オピオイド系鎮痛薬を続けている限り、便が固くなりやすい状況が続いてしまいます。吐き気、眠気についてはオピオイド系鎮痛薬続けているうちにからだが慣れていき、軽快していきます。必要に応じて吐き気止めや薬の変更が行われることが一般的です。

さて、ではこの痛み止めの情報をもとに、次回大腸がんの患者さんの例に戻り痛み止めの選択について解説します。

薬剤師
深井

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