皆さんこんにちは。前回は「治療」と「働く」の両立という視点で、社会情勢と国の取り組みなど
からお話をさせていただきました。国が積極的に「働く」ことを支える仕組みを作るなかで、が
んにり患されている人を始め、慢性疾患を抱える人々も、自分の体調と自分のスキルに併せ
た働き方を、各会社や事業場がそれを応援する形が生まれています。

「治療を受ける」当事者は、一方では医療サービスの受け身にあることで、社会生活をはじめ
、時間的にも、精神的にも、肉体的にも、経済的にも、さまざまな制約を受けてしまうのが現
状です。そして、実際私たちは生活において、心身ともに常に健康であり続けるのは難しくな
りつつあります。これらは何時でも誰にでも起こりうる状況です。

現在では何らかの持病や障害を持ちながらも、自分の体調と自分のスキルに併せた働くこと
を通して、社会とつながりをもち、暮らしていることが決して珍しい状況ではなくなってきました
。これは、国の社会保障制度を頼るだけの「受け手」の存在だけではなく、慢性疾患を抱えな
がらも医療と職場の関わりの中で「担い手」になれる人々が多くなってきたということだと思い
ます。国はこのような人々が積極的に働けるように制度としても整備をしています。

平成28年2月に公表された「治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」は、今後ます
ます働き手が少なくなる社会情勢において、慢性疾患を抱えながらも仕事が出来る環境を各
会社や事業場が整備をすることで、少しでも働き手を確保する、または働き手が働きやすくな
る取り組みの1つになっています。これは各会社や事業場などで治療が必要な疾患を抱える
労働者が業務によって疾病を悪化させることが無いように、事業場が就業上の措置や治療に
対する適切な配慮が行われるように、各会社や事業場においてその支援を行う環境整備や
両立支援の進め方など、具体的な取り組みなどが記載されたものになっています。
このガイドラインのねらいは下記の通りです。

・事業者や事業関係者に、疾病を抱える労働者の状況と治療と職業生活の両立を進めること
の意義について理解を広める。
・事業者や事業関係者に、疾病を抱える労働者の治療と職業生活の両立について、具体的
な対応手順や方法を提示して、この取り組みを促進させる。
・主治医が就業上の措置について判断が出来るように、労働者(患者)の仕事の情報が主治
医に伝わるようにする。
・主治医が就業上の措置に関する意見が各会社や事業場側に伝わるようにする。

次回からは、このガイドラインについてご紹介していきたいと思います。

社会福祉士
佐々木

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