前回からの続き

ここまで、がんサバイバーシップという概念の総論について述べてきました。これ
らを有効に生かすために前回の記事で私は、「この人生の一部(=がんサバイバーシ
ップ)を、大いに満足できるものとして体験する」という人生目標を設定することを
提案しました。この提案は、心理療法の専門家としての私からの提案です。

実際、あなたが心理療法家としての私の前に現れれば、私は先述のような提案をす
ると思います。ここで、がんサバイバーシップの話題からいったん離れ、私の提案
の根底にある「筆者流がんと向き合うための知恵」についてお話ししていくことに
しようと思います。

というのも、がんと向き合うための心理的土台が形作られれば、あなたがより積極
的にがんサバイバーシップ関連の情報を利用できるようになるとも考えられるから
です。先ほどの提案の内容は、筆者が専門の一つとする臨床心理学や心理療法の立
場から導き出したものです。

臨床心理学や心理療法といえば、一般の方にはほとんどなじみのない世界かもしれ
ませんが、現在はがん療養にも積極的に応用され始めています。こうした意味でも
、また、一般的な意味で人生をうまく生きる助けになるという意味でも、臨床心理
学や心理療法についての知識を得ておくことは、あなたにとって有用なことである
ように思います。

ですからこうした考えのもと、筆者の専門の一つである臨床心理学と心理療法につ
いて概観し、また、私が先ほどの提案をした理由についても、おいおいご理解いた
だけるように筆を進めて参ろうと思います。

つづく

医師 総合診療医/心療内科医/漢方医/産業医
飯島 慶郎(いいじま よしろう)

臨床心理士/産業カウンセラー/認定産業医
総合内科専門医/家庭医療専門医/東洋医学会認定医

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