はじめまして。精神科医の樋野と申します。
精神疾患についての正しい情報をお伝えすることと傷ついた心に寄り添うことを心がけて
執筆させていただきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

今回は、精神科で処方されるお薬についてご説明します。
精神科のお薬に対して、どんなイメージをお持ちでしょうか。「ただでさえたくさんの薬
を飲んでいるのに、これ以上のみたくない」「睡眠薬は依存しそうだから、のみたくない
」などのお考えをお持ちの人も少なくないのではないでしょうか。

現在は副作用の少ないお薬もたくさんありますし、適切に必要な時に必要なお薬を使うこ
とで、精神症状を和らげることができます。薬の依存性を恐れる人は、「なるべく他人に
迷惑をかけないようにしよう」と今まで一人で頑張ってこられたのではありませんか?心
身が弱っている時くらい、薬に頼っても良いのではないでしょうか。依存するのではなく
、適度に頼ることで、より快適な生活を送ることができると私は思います。

精神科では、おもに向精神薬(こうせいしんやく)の処方を行います。
向精神薬とは、人間の精神機能に影響を及ぼす薬剤の総称であり、
1)抗うつ薬、2)睡眠薬、3)安定剤、4)抗精神病薬などがあります。

一般的によく使われるのは、1)から3)です。1)は、根本的な治療薬です。
2)3)は対症療法のお薬になります。

抗うつ剤は、脳の中の、神経同士の連絡係(=神経伝達物質)の量を増やし、その働きを
高める作用を持ちます。2週間以上服薬を続けることで、効果が実感できます。服薬し始
めの2週間は副作用だけが出現し、効果がでないため、「やめたい」と思いやすい時期で
す。副作用については、主治医と相談しながら根気強く服薬を続けることが大切です。数
日から1カ月で消失する副作用もありますし、副作用止めのお薬もあります。

安定剤・睡眠薬は、服薬してから、30分後~1時間後に効果を実感することができます。
毎日定期的に服薬する方法と、不安・不眠が生じた時のみ服薬する方法があります。依存
性は0ではありませんので、処方された量を守って服薬することが大切です。

必要に応じて、不安や不眠などに効果がある漢方薬を処方することもあります。
どのお薬も、患者さんが「効き目があるんだ」「自分を助けてくる薬だ」と思って服薬す
ることが大切だと思います。主治医とよく相談しながら、ご自身に合うお薬を見つけてい
きましょう。

医師・精神科医
樋野 (ひの)
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