「がんサバイバーシップ」という概念、ご理解いただけましたか? あまりにも広
く、抽象的な概念であるため、つかみどころがないとあなたは感じているかもしれ
ません。たしかにその通りです。抽象的な概念を現実世界に応用するためには、そ
の概念を演繹(えんえき)し、具体化、個別化していく必要があります。

このためには、学問としてのがんサバイバーシップ研究において、個別的にどのよ
うな分野がトピックとして扱われているかを概観することが有用です。ここでは、
あなたの理解を深めるために、そうした研究における個別のトピックを、いくつか
の成書を参考にして筆者なりにまとめたものを紹介しておきます。

□身体に関わるサバイバーシップ
がんサバイバーと各種先進医療
がんサバイバーと各種治療後後遺症
がんサバイバーと妊孕性(妊娠可能性)
がんサバイバーと二次がん
がんサバイバーと食事・サプリメント・運動
がんサバイバーとがんリハビリテーション
がんサバイバーとその他の健康増進法
がんサバイバーと痛み・倦怠感
がんサバイバーと緩和・サポーティブケア

□社会に関わるサバイバーシップ
がんサバイバーと経済的負担・就労問題
がんサバイバーと子育て
がんサバイバーと家族・介護者・コミュニティ
がんサバイバーと性・性行為
がんサバイバーと遺伝カウンセリング・遺伝子検査
がんサバイバーと専門職の関係性
がんサバイバーとメディアリテラシー

□精神・心理・スピリチュアリティに関わるサバイバーシップ
がんサバイバーと精神症状(不眠、うつ、適応障害、せん妄等)
がんサバイバーと治療後認知機能障害(ケモブレイン)
がんサバイバーと心理的・人間的成長
がんサバイバーとスピリチュアリティ・宗教・実存哲学
がんサバイバーとアドバンス・ケア・プランニング

いかがですか? どれもあなたががんを生き抜く(survive)するに当たり、必要性を
強く感じる項目ばかりではないでしょうか。これらを個別具体化したがんサバイバ
ーシップのテーマの例とお考えください。

つづく

医師 総合診療医/心療内科医/漢方医/産業医
飯島 慶郎(いいじま よしろう)

臨床心理士/産業カウンセラー/認定産業医
総合内科専門医/家庭医療専門医/東洋医学会認定医

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