前回に引き続き、今回もがんによる痛みについてお話します。前回は「がんによる痛
みかどうか」「痛みの種類」「痛みの程度」について確認しました。

■ 痛み止めの種類
さて、いよいよ薬を使おうかどうか、という段階ですが、まず痛み止めには種類
があります。
1. 非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
2. アセトアミノフェン
3. 弱オピオイド薬
4. 強オピオイド薬
5. 鎮痛補助薬
が主な薬剤となります。
それぞれに得意分野があり、どれも結局は痛み止め以上でも以下でもない使われ
方をしますが、それぞれの特徴を生かして併用することがうまく痛みを取るコツ
です。
(もちろん、単剤で十分なことも多くあり、その場合は単剤で対応します)

1. 非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
「エヌセイズ」などとよく呼ばれる薬剤です。非常によく使われる馴染みある薬
剤で市販薬名になりますが「ロキソニン」や「ボルタレン」「イブ」などがこの
カテゴリに属する薬剤です。
炎症・鎮痛が主たる効果であり、解熱作用もあることから風邪の際の対症療法と
して使われることもよくあります。副作用としては最も有名なものとして胃潰瘍
(NSAIDs潰瘍などとも言われます)があり基本的に食後内服と予防の胃薬が勧め
られます。

その他血圧低下・肝機能障害・腎機能障害などと低頻度ながらいろいろ挙げられ
ますが、極比較的使いやすい薬であり頻用されています。痛みの種類としては体
性痛に相性が良いことが多く、末梢神経障害にはあまり効果がないケースが多く
みられます。また、「ナプロキセン」という種類のNSAIDsは腫瘍熱といわれる、
がんそのものが起こす発熱症状に効果があるとされ、痛みはなくてもそれに対し
て使われることがあります。

2. アセトアミノフェン
非常に歴史のある薬剤で、実に150年近くの歴史があります。以前まであまりが
ん領域での鎮痛薬として使われることはありませんでしたが、最近はかゆいとこ
ろに手を届かせる薬剤として存在感を発揮しています。その原因としては使用量

で、以前一般的に使われていた投与量では強い痛みに対して少なすぎたという背
景があります。

現在認められている投与量は最大4000mg/日までで、著効することは珍しくあり
ません。副作用としては肝機能障害が有名で、特にアルコールを常用し、アルコ
ール肝炎などになっている人は代謝酵素が枯渇し、よりリスクがあるとされてい
ますが、それ以外の副作用は非常に少なく、胃への負担も軽いため、鎮痛薬とし
て使いやすさは群を抜いています。NSAIDsと同様に体性痛への効果がよく見られ
、私見ですが特に骨転移による痛みによく効く印象があります。一方で神経障害
性疼痛には同様に効果が得られにくく、他の薬剤が必要になることもしばしばあ
ります。

次回は大腸がんの話からちょっと逸れてしまっていますが、さらにオピオイド性
鎮痛薬についてもお話していきたいと思います。

薬剤師
深井

この執筆者の記事一覧

様々な副作用の対処法

がん治療の選び方

がん治療薬について

薬剤師の頭のなか

医療者コラム

PAGE TOP