前回からの続き

がんサバイバーシップ=「がんサバイバーであること」+「がんサバイバーである
ことによって生じる諸々のこと」という意味であるとお話ししてまいりました。こ
れを、今のあなたに落とし込んでみてください。

あなたは、がんと診断された瞬間に「がんサバイバー」となり、そしてそのことに
より、あなたとあなたの周囲は大きく「揺さぶられ」ていることでしょう。そして
、大きく揺さぶられながらも、あなたはなんとかその事態に適応しようと、生き抜
いて(=surviveして)いるはずです。

あなたは、がんがあなたの人生に引き起こす「揺さぶり」を最小化しようと、役立
つ情報を積極的に集めているかもしれません。また、誰しも人生が有限であるとい
うことに改めて気付き、人生観が大きく変わったかもしれません。がんサバイバー
であってもできるだけ健康的に過ごせるように禁煙し、家族とジョギングを始めて
いるかもしれません。そして、あなただけではなく、あなたの家族や医師などの医
療者、ケースワーカーがあなたを援助するための動きを見せてくれていることでし
ょう。

このようにがんの診断をうけたことで、あなたが必要とし関心を寄せるものが変化
し、あなたをとりまく周囲にも変化が生じ、あなたと社会とのかかわり方さえも変
化します。あなたががんと診断されたために生じた、これらの新しい状態すべてが
「がんサバイバーシップ」です。言い換えれば「がんサバイバーシップ」とは、が
んを生き抜くあなた自身の変化、あなたを取り巻く外界の変化、これら全ての総称
なのです。

つづく

総合内科専門医/臨床心理士
飯島 慶郎

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