以前、家族との接し方について、お話ししました。ですが、以前お伝えしたのは、家族に打ち明け、
家族のサポート体制が整っている人が実行できそうな項目が多かったと思います。そのため、コラ
ムを読んでいただいた人のなかには、「家族に相談ができない」と悩み考え、ひとりで抱え込んで
いる人もいたでしょう。今回は、自分自身ががんであることを家族に相談できない、またはこれか
ら相談しようと考えている人に向けて、家族との接し方についてお話しをしていきたいと思います。

◼️家族へ打ち明けることの大切さ
家族に打ち明けるができずに、ひとりで悩んでいる人も多いと思います。ですが、もし、「家族とと
もに治療を頑張りたい」と少しでも感じているのであれば、がんであることをしっかりと伝えてくださ
い。でなければ、あなたになにかあったとき、家族はきっと、たくさんの後悔や寂しさ、悔しさなどの
負の感情があふれて気持ちの行き場をなくしたり、ぽっかりと空いた心の穴の埋め方がわからなく
なってしまうことが考えられます。がん患者さん自身が、時間をかけて心の整理をしてがんと向き
合うように、家族も時間をかけて向き合っていくのです。家族のためにも、きちんと伝えることは、
とても大切な過程のひとつです。

◼️環境のセッティング
打ち明けるためには、環境を整えることも大切です。そのための第一歩として、まずは患者さん自
身が現状を正確に理解し、こころをできる限り落ち着かせましょう。がん患者さんは、日によって感
情の浮き沈みが大きい場合があり、気持ちが落ち着かない状態で家族に伝えても、正確に現状を
伝えることは難しく、家族とともに混乱してしまうことになりかねません。まずは、気持ちを整えてか
ら環境のセッティング方法を考えてみてください。
セッティングについては、各家庭環境や立場により異なりますが、もし、ひとりで伝えることが難し
ければ、ソーシャルワーカーや医師、看護師などの医療者立ち会いをしてもらう、または医師から
直接説明してもらう方法もあります。がん患者さん自身が、少しでもストレスや不安などを感じるこ
となく、家族に対して冷静に疾患や病状を伝えられ方法を選んでみてください。

◼️がん経験者さコミュニティを活用
NPO法人が設立している5yearsというサイトがあります。現在治療中の人、治療を終えて社会に
復帰した人の経験がたくさん記載されており、ほかにも法人からのメッセージや、がんに対する有
益な情報などもみることができます。5yearsを活用することで、自分の言葉だけでは伝えきれない
がん患者さんの気持ちや経験などが、家族に少しでも伝わり、経験談を通してゆっくりと考えるこ
とで、こころを整理するきっかけにもなるのではないでしょうか。

◼️がん患者の家族は第二の患者さん。つらいと言ってもいい
家族へがんであることを打ち明けたあとは、がん患者さんの家族は「第二の患者さんである」とい
うことを伝えてください。大切な家族だからこそ、「一番つらいのは本人なんだ」「自分がつらいなん
て言ってはいけない」と、自分自身の感情を押し殺してしまう家族もいます。ですが、がんはともに
闘っていくものであるため、家族がつらいと感じることを避けるのは難しく、気持ちを溜め込んでし
まうことは、のちに「つらかった記憶」しか残らず、かえってよくない結果を招きかねません。本人に
いえないのであれば、相談できる医療者やリエゾン看護師などの専門のスタッフをさりげなく紹介
するのもよいでしょう。

家族への打ち明け方、打ち明けたあとの接し方はとても難しいですよね。悩んでいる人も多いと思
いますが、自分のことを大切にしてくれる家族です。現実を受け入れるまでに時間がかかるかもし
れませんが、きっとともに立ち向かってくれるのではないでしょうか。可能であれば、環境を整えた
うえで、ぜひ家族に相談してみてくださいね。

看護師
竹田
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