待望の妊娠がわかったのもつかの間、妊婦健診で子宮頸がんを診断されたという話を聞きます。実は妊娠初期で受ける妊婦健診には、「血液検査」「性器クラミジア検査」のほかに「子宮頸がん検査」も含まれているため、そのタイミングで自らの病気が発覚するということは決して珍しいことではないのです。
でも、女性にとっては突然のことに「私、このまま子どもが産めなくなってしまうの?」「子宮を摘出することになってしまうの?」等々、不安や恐怖でいっぱいになってしまいます。

実際には、子宮頸がんは病変のできた部位やその進行具合によっては子宮を温存することが可能なケースもあるので、慎重に医師の話を聞き、治療について相談する必要があります。そこで今回の「乳がん・子宮がんを語る女子会」では、子宮頸がんと妊娠・出産についてご紹介します。

■妊娠がきっかけで初めて産婦人科を受診する女性も

日本は世界的に見ても乳がんや子宮頸がんの受診率が低い国であり、欧米諸国が7割から8割を超えているのに対し、4割にとどまっているという現状があります。
毎年女性検診(乳がん・子宮頸がん検査)を受けている女性もいれば、「産婦人科に行くのがちょっと恥ずかしい…」という理由で、今まで受診したことがない女性も意外に多いのも要因の一つです。
そんな女性たちにとっては、妊娠がきっかけで初めて子宮頸がん検査を受ける機会にもなっています。そこで、日本では平成21年度から子宮頸がん検査が妊婦健診で必須項目として実施されるようになっているのです。

■初期の妊婦検査で受ける理由は?

妊婦健診で子宮頸がん検査を行うのは、妊娠初期(4週~15週)の期間内で、なるべく8~10週くらいをめどに検査を行う産婦人科が多いようです。
初期のうちに子宮頸がんの可能性を把握しておくことで、いざ組織を採取するような精密検査が必要なときも妊娠を継続しながらできるためです。
また、万が一子宮頸がんが見つかった場合も、その後の対応策(出産してから手術など)を立てやすいためでもあります。

■妊娠中なのに子宮頸がん検査を受けても大丈夫?

妊娠まで産婦人科にかかったことがないと、はじめてのこと尽くしでいろいろと不安になります。実際、妊娠中に「子宮頸がん検査で子宮の入り口をブラシでこすって粘膜の細胞を取るのは大丈夫?」と心配になる女性もいますが、この検査は10秒もかからない程度で、基本的には痛みや出血などの心配はありません。また検査の刺激が流産につながるということもないため、安心して受けることができるのです。

■子宮頸がんがわかっても、出産後に治療するケースも多い

もし妊娠中に子宮頸がんがわかった場合、がんができた部位やその進行具合にもよりますが、元々子宮頸がんの進行はゆっくりしているため、ごく初期であれば経過観察をしながら出産まで待つケースが多いようです。
治療は産後に行うのが一般的なので、もしわかった場合は産後の育児の助けも得られるように家族と相談して進めていくのが望ましいでしょう。

■子宮頸がんの原因HPVウイルスに赤ちゃんも感染する?

子宮頸がんの原因とされるヒトパピローマウイルス(以下略称「HPV」)は、妊娠中の胎児への母子感染はないとされています。また、出産する際の経腟分娩での感染もないので、出産を帝王切開に切り替える等の必要はありません。

■がんは早期発見に越したことはない

子宮頸がんは、定期的な検査で予防ができるがんでもあります。妊婦健診で発見できたのは、不幸中の幸いだったという声も多く聞きます。
どんな病気にも言えることですが、早期発見することで治療の対策を考え、自分のからだを守ることにつながります。
元々定期的に受けている人は今後もそのスタンスを大切に、また妊娠がきっかけで検査を受けた人は出産後も定期的に子宮頸がん検査を受けていきましょう。

<参照サイト>
・厚生労働省「妊婦健診」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken13/dl/02.pdf
・日本医師会
https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/type/cervix/what/

有名雑誌や大手メディアでコメントするライターやTV出演もある女性陣を結集した女子会
乳がん・子宮がんを語る女子会

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