妊娠・出産を経験した女性なら、一度は疑問に思ったことがあるかもしれない「授乳中の乳がん検診」。
自分の住む自治体から毎年送られてくる「定期検診」「がん検診」のお知らせはあるものの、育児中の忙しい女性の場合、どうすればいいかを知らない人もいるかもしれません。
とはいえ、もし家族に乳がんや子宮がんなどを患った家族がいると、内心自分の健康のことも気がかりですね。

そこで今回の「乳がん・子宮がんを語る女子会」では、授乳中のがん検診の取り扱いについて筆者の経験と共にご紹介します。

小林麻央さんの報道に愕然とする

乳がん検診では、主に医師による視触診(医師が乳房を触診しながらしこりがないかを確認する検査)のほか、マンモグラフィ(乳房専用のX線撮影)、エコー(超音波検査)がおこなわれています。
日本では、最低2年に1度は乳がん検査を受けることが推奨されているため、職場で検診を受ける機会のない女性には自治体からのお知らせが来ることになっています。

筆者も以前から積極的にがん検診を受けてきましたが、出産後・授乳中のタイミングで小林麻央さんの乳がん公表のニュースを知り、非常に不安になった一人です。
というのも、妊娠が判明してから出産以降の約2年弱、がん検診を受けていなかったためです。

奇しくも、小林麻央さんは第2子の出産後・授乳中に乳がんが判ったといいます。その状況を想像すると、いつ授乳中の女性にも同じようなことが起こるかもわかりません。
筆者はさっそく婦人科のある病院に問い合わせることにしました。

「授乳中でも乳がん検査はできますか?」

婦人科クリニックに電話で問い合わせしたところ、以下のような回答でした。

■授乳中の女性は赤ちゃんに母乳を与えているため、乳腺が発達した状態。
マンモグラフィでは全体が白く写ってしまうため、正確な診断が困難。

■マンモグラフィは、断乳後6ヵ月を目安に受けられる。
■超音波検査は受診できるが、通常よりは精度が落ちる可能性がある。

つまり授乳中の女性が受けられる乳がん検査は、「部分的に可能」ということになります。
ただし、例外もあるようです。

■乳がんは妊娠中に発生することはある。
■しこりや乳房の陥没など自覚症状がある場合、授乳中であっても乳腺専門外来の受診をした方がよい。

実際、女性は妊娠・授乳で最低2年間は検査を受けられないため、その間に乳がんが進行した段階で見つかるというケースもあるようです。
あきらかに自覚症状がある(横になって乳房を触診してしこりが手に触れる、乳房や乳首が最近陥没した箇所があるなど)、または「乳腺炎かもしれないし、乳がんのしこりかもしれない」と迷っている女性は、一度専門の乳腺外来を受診してみた方がいいかもしれません。

報道を見ると不安に…検査のタイミングを待つ

結局、筆者は授乳中マンモグラフィを受けられず、超音波検査と医師の問診だけとなりました。仕方ないとは思いつつ、どうしても小林麻央さんの報道が頭にこびりつき、病院窓口で言われた「お母さんも断乳後、半年間空けてからまたご連絡くださいね」という優しいアドバイスも、当時は心もとなく感じたのは事実です。

そして断乳して半年後、筆者は再び乳がん検査を予約し、マンモグラフィを受けました。
検査の結果は「異状なし」。やっと安心した瞬間でした。
このように、筆者の住む自治体では乳がん検査を分けて受けることができたので、非常に助かりました。
からだのことであれこれ悩みモヤモヤし続けるよりも、受診して乳がんかそうでないかをきちんと確認したいものですね。

授乳中のママも部分的には検査が可能なので、お子さんの預け先など大変かもしれませんが、ぜひ時間をやりくりして受けてみてはいかがでしょうか?

<参考サイト>
公益財団法人東京都予防医学協会
https://www.yobouigaku-tokyo.or.jp/gan/nyugan.html

乳がん・子宮がんを語る女子会
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