今回はアルコールが睡眠に与える影響についてお話ししていきます。

■アルコールの睡眠に及ぼす影響
「夜寝るためにはお酒を飲むといい」
なんて信じている人は今日のコラムを読んで考えを改めて欲しいと思います。
アルコールには覚醒水準調節作用という性質があり、
陽気に気分を高めてくれる一方で、眠たくさせる性質があります。
このようなアルコールの眠たくさせる性質から寝酒は寝つきを良くさせますが、
3つのデメリットによって睡眠の質を大きく下げています。

デメリット(1)
アルコールは体内で分解されていく過程のなかでアセトアルデヒドという物質になります。
このアセトアルデヒトには覚醒作用があり、睡眠を浅くさせてしまうため、
寝つきは良くても夜中に目が覚めてしまう現象が起きてしまいます。

デメリット(2)
本来であれば、からだの休息時間である睡眠中にアルコールを分解するので肝臓は休むこ
とができない状態になります。

デメリット(3)
最後に一番怖いのがアルコールの睡眠導入作用には耐性ができることです。
どういうことかと言うと、はじめのうちは少量のお酒で寝付けても
その効果は徐々に薄れてきます。

このことから徐々にお酒の量が多くなり、健康被害が出てくる可能性も高くなります。

■世界一寝酒が多い国
日本人24686人を対象とした調査で
男性の48.3%女性の18.3%の人が1週間に1回以上寝酒を飲んでいるという結果でした。
(参考文献:Use of alcohol and hypnotic medication as aids to sleep among the Japanese
general population.)
また、日本は「不眠解消のために寝酒を飲む」と答えた数が一番多いという残念な結果もでて
おり考えさせられる結果となっておりました。
(参考:国際疫学調査2002年)

■アルコールと睡眠薬
最後に注意したいこととして、アルコールと睡眠薬の相互作用についてお話しします。
アルコールと睡眠薬を一緒に飲むと不安の症状が強く出てしまうことや
中途覚醒した時にしばらくの間の記憶がないという「健忘症状」が現れることがあり、
非常に悪影響が出てしまいます。

また、先ほどアルコールによる耐性の話もしましたが、アルコールと睡眠薬には交差耐性が
あることも分かっています。

(アルコールの耐性ができてしまうと睡眠薬の耐性もできてしまう事)
以上のことから寝酒と睡眠薬を同時に使うことは避けていただきたいと思います。
今回はアルコールと睡眠についてお話ししましたが、
アルコールはあくまでリラックスできる嗜好品であって
睡眠に利用するものではないとご理解いただければ幸いです。

睡眠健康指導士・薬剤師
松本
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