がんは国民病ともいわれ、今や2人に1人ががんにり患する時代であり、そのなかの約3割が
、働きざかりの世代ということがわかっています。そのため、「がんと付き合いながら働くこと」
への不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。しかし、医療が進み、「がん=
死」という事実が変化している今、がんと向き合い働いている働き盛り世代の割合はどんどん
増え、現在7割にも達しています。社会のがんに対する考え方も変わってきているので、仕事
への意欲があるのであれば、無理して辞める必要はありません。ただ、り患前同様に働くの
は難しい人も多いと思います。「今までの自分」に仕事を合わせようとするのではなく、「今の
自分」にあった仕事との付き合い方や働き方を探していくようにしましょう。

■自分にとっての「仕事」を考える
あなた自身にとっての「仕事」とはなんでしょうか。家族を養うためですか。安定した収入がほ
しいからですか。それとも、やりがいや社会とのつながりを感じたいからですか。患者さんの
数だけ理由があると思います。「なんのために仕事をしているのか」をじっくり考えてみましょう
。それにより、現職を続けで働き方を工夫するのか、辞めるのか、転職するのかなどの答え
が必然的に出てくると思います。

■判断はひと息ついてから
がんは心身ともに負担が大きい疾患です。なかにはうつ病を発症するケースもあります。そ
んなとき、人は「自分は正常な判断を下せない状態である」ということに気づきにくくなります
。「自分は大丈夫だ」と思っていても、必ずひと息ついて周りをよく見渡してみてください。きっ
と、あなたの変化に気付いて心配している家族や友人、同僚がいるのではないでしょうか。そ
して、1人で判断せず信頼できる人に話してみましょう。話すという行為は自分自身も状況の
整理でき、自分が今まで気づかなかったことにも気づくきっかけにもなる大切な行動です。

■事実は最低限の周知のみで済ませる
状況によりますが、雇用者側や取引先に必ずしも事実をすべて伝える必要はありません。し
かし、いつから復帰できるのか、どの期間、どのような理由で休暇がほしいのかということは
しっかり伝えるようにしてください。しかしながら、理由に関しては、先ほど述べたように、事実
すべて伝える必要はありません。「大病にかかり、治療入院が必要です」程度でも十分です。
ですが、元のポジションに戻ることを考えているのであれば、信頼のおける同僚や先輩などに
はしっかり事実を伝え、フォローしてもらえるよう事前に説明しておくことは必要となります。

■働き方を変えてみる
体力の低下や痛みや浮腫、いろいろな症状や副作用があるため、働く上でそれらが支障とな
ることもあると思います。仕事量の調整や時短勤務にするなどの対策をとるのもよいですが、
思い切って在宅ワークという手もあります。今はクラウドソーシングというネット上で仕事が完
結するものもあり、自分のペースで仕事ができ、今まで培ったスキルも十分いかせます。職場
に行って仕事をすることだけが仕事ではありません。「自分にとっての仕事はなにか」を見つ
め、出た答えをもとに、自分のからだの状態に合った働き方を模索していきましょう。

■医療者へ相談する
今はチーム医療が主流です。患者さんを中心として、医師や看護師、リハビリスタッフなどの
医療スタッフが連携をはかり、治療を進めていきます。そのため、副作用や症状によって仕事
に支障がでるなどの問題や不安あれば、医療スタッフへ相談するようにしましょう。相談を受
けたスタッフがほかの職種へ伝達し、それをもとに、それぞれが連携しながら治療や対策を
考えていきます。がんと付き合いながら働くためには、職場の理解も必要ですが、医療スタッ
フとの連携も欠かせません。

今はまだ、働くがん患者さんに対する雇用側のサポートが充実しているところは少なく、自己
退職や辞職を迫られるケースが3割を占めています。ですが、仕事は、生活を安定させるため
に欠かせないものです。働き盛りの世代にいる人にとっては、「社会と自分をつなげるもの」で
あり、大切なアイデンティティのひとつでもあります。不安はたくさんあると思いますが、がん

患者さん専用の就労サポートをしているところや国からの助成制度もあるため、それらを活用
しながら仕事と自分の関係性を見つめ、少しずつ「今の自分が自分らしく働ける環境」を整え
ていくことから始めていくとよいですね。

看護師
竹田
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