■はじめに
今回は前回と同じテーマである乳がんについて述べていきたいと思います。前回は手術後の
運動というテーマでしたが、今回は化学療法や放射線治療中や治療後の運動についてです。

乳がんに関しては治療技術の進歩により再発率や死亡率が低下していますが、治療の長期
化で心肺機能の低下や倦怠感、不安やうつ、Quality Of Life(QOL)の低下が懸念されます。
これらについては運動をすることが良いとされています。身体機能を維持することで心肺機能
低下を防ぎ、倦怠感が軽減する。また、身体活動性を維持することで精神的な面でもQOLの
低下を防ぐことができます。では、どのような点で注意し運動すればよいのでしょうか。

■運動
1.有酸素運動
入院中に行う運動は、リハビリスタッフが負荷量を決めます。参考ですが、最大心拍数の50-
60%の負荷で10~15分位行います。この最大心拍数の計算式は「220−年齢−安静時心拍数」
になります。自宅で行う際は、自覚的運動強度を用いて運動負荷を決定します。具体的には
「ややきつい」と思うくらいの負荷で運動してください。運動中にまったく話ができないくらいの
負荷は高すぎるでしょう。有酸素運動の内容は以前の回でも述べているようにウォーキング
や自転車エルゴメーターが効果的だと思います。

2.筋力増強運動
入院中は有酸素運動と同様にリハビリスタッフがメニューや負荷量を決めます。内容は徒手
抵抗や重錘、セラバンドを用いた運動になります。10回前後を1セットとして実施すると効果
的です。自宅で実施する場合は重錘やセラバンド、自重を用いて実施します10回前後から実
施します。自重で実施する場合は、スクワットやカーフライズ、ヒップアップや階段昇降訓練が
良いでしょう。重錘を用いる運動としてはダンベルを使用し、腕中心にさまざまな運動を実施
する効果的だと思われます。特に上腕二頭筋や上腕三頭筋、大胸筋を中心に行ってください
。また、腹筋運動も加えて実施すると良いでしょう。腹筋は負荷が高く女性であれば困難な場
合もありますが、両膝を立ててみぞおちを見るように体を少し浮かすだけでも効果があります。

■リスク管理
骨転移や治療の副作用で骨粗鬆症が生じている場合は骨折するリスクが考えられますので
、上記に記載した負荷を超えた無理な負荷設定は控えることをおすすめします。また、翌日に
疲労を残さないような負荷量を心がけてください。

理学療法士
津田
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