がんになり抗がん剤治療をすると、体のいろいろなところに「変化」が訪れます。
それは家族もあまり気づかない変化から、誰でもわかる変化までさまざまです。
特に、脱毛や皮膚の症状は見た目にもわかりやすいため、「(こうなることはわかってはいたので)しかたない…」とわかりつつも、やはり心で受け止めるには多くの時間を要する患者さんもいます。

今回の「乳がん・子宮がんを語る女子会」では、治療で変化した外見を再び装うことで、心の元気を取り戻す外見支援(アピアランスケア)についてご紹介していきます。

外見支援(アピアランスケア)とは?

治療による手術跡、脱毛、皮膚の変色、爪の変化などの外見の変化とトラブルに対し、医学的・技術的・心理的なケアをいいます。
がん治療では、脱毛や皮膚障害といった外的変化が起こることで、特に女性の患者さんにとっては、「昔の自分と現在の容姿との差」「職場や家族に外見が変わった自分が受け容れられるか」といった不安を感じざるを得ず、大きなストレスとなります。
現在、治療における過程で生じる変化への有効的な予防策はありませんが、周囲への見せ方や装い方を知ることで、治療中も今まで同様に生活を続けている女性も多くいます。そして、これらの「なるべく普通に過ごしたい」というニーズを踏まえて、以下のような支援も各企業でスタートしているのでご紹介します。

ワコールによる「アピアランスケア事例紹介」

女性の下着メーカーのワコールでは、Webサイトで乳がん患者さんのアピアランスケア事例や脱毛後も元気に見えるメイク方法などを紹介しています。

ワコールピンクリボン運動
http://www.wacoal.jp/pink_ribbon/article/interview/04.html

資生堂による「がん患者さんのための外見ケアブック」

美容メーカーの資生堂では、がんになっても美しくありたい女性たちのために、副作用で変化した肌色変化、眉・まつ毛の脱毛などの悩みにこたえる美容情報をまとめた小冊子を作製しています。小冊子を手に取ってみたい場合は、事前に資生堂の店舗への予約の電話が必要となっています。

資生堂ライフクオリティビューティーセンター
http://www.shiseidogroup.jp/slqc/

外見を少し整えたら、気持ちも明るくなる

医療技術の発達によって、がんはかつての「不治の病」から、治療を継続しながら生きる(働く)時代へと変化してきました。治療の副作用をカバーし、社会とのつながりを切らずに仕事を続けるためにも、自分でできるセルフアピアランスケアをしている女性も多いのです。

【アピアランスケアの一例】

・脱毛というネガティブな経験を敢えてイメージチェンジするチャンスと捉え、ウィッグを複数所有し、その日の気分やファッションに合わせて使い分ける。

・抗がん剤治療前のヘアスタイルと同じスタイルのウィッグを用意し、自分のヘアスタイルをキープして自分らしく過ごす。

・眉毛がないと人相がかなり変わるため、眉毛をアイブローペンシルで描き、自分の見た目の変化を最小限にする。

・まつ毛が抜けると目力がなくなり印象も変わるため、アイラインを描くことで目元の印象を取り戻す。

・治療で肌色もくすみがちになるので、いつもより濃いファンデーションで、肌色のトーンを整える。

・ローズ系やピンク系などのチークカラーで、血色よく見えるようにチークを入れることで、顔色をパッと明るい印象にする。

ウィッグやメイクを取り入れることで、「気持ちが明るくなれた」「自分に自信が持てて、久々に外出がしたくなった」「家族にも『今日は顔色がいいね』とほめられてうれしかった」等々、ケアを通じて心の回復や対人関係を再び積極的にもてるようになり、内面や行動の変化につながっていきます。
女性は、いつまでたっても女性なのです。がんでも元気でキレイであり続けたいと思える人は、やはりステキですよね。

もちろん治療によって変化した自分自身をありのままに受け容れることも、ウィッグやメイクで整えることも、がん患者さんの一人一人にとっては選択肢です。
何を選ぶのかは、その人自身が最も心地良く、自分らしくいられる方法を選ぶのが良い選択になるでしょう。

有名雑誌や大手メディアでコメントするライターやTV出演もある女性陣を結集した女子会
乳がん・子宮がんを語る女子会

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