自分ががんだとわかってから、家族とどのように接していますか。ぎくしゃくしたり、ど
ことなくよそよそしかったり、以前より距離を感じたりしていませんか。それはきっと、
家族のほうも、自分の大切な人ががんである事実に戸惑ったり、自分自身の無力さに悩み
落ち込んだりすることを繰り返しているからではないでしょうか。しかし、お互いに気持
ちを胸の内にしまい込んだままでは、以前の距離を取り戻すことは難しいです。後遺症が
残ったり、生活習慣が変化したりするなど、以前とのギャップが大きければ、なおのこと
だと思います。もし、距離を感じているのであれば、退院後の生活をスムーズにスタート
させるためにもお互いに気持ちをしっかり伝えあい、接し方を見直していくことが大切で
す。

■ちょっとした未来や将来を一緒に考える
退院後の生活を想像したり、ともに外出する先を考えたりするのもよいでしょう。退院後
の体力や体調にもよりますが、ちょっとした旅行などもよいですね。ただし、家族で一緒
に行えるもの、現実的なものにしましょう。実現できそうな楽しみがあれば、治療への意
欲も湧きますし、ワクワクする未来の話は気分転換にもなります。家族も見えない未来に
不安を感じたり落ち込んだりと、不安定な精神状態が続くため、ともに過ごす未来の話を
する時間は、とても大切です。

■共有できる空間づくり
気持ちを伝え合うために、空間を共有することは大切です。しかし、必ずしも向き合って
座り、話し合う場をつくる必要はありません。家族がご飯をつくる傍らで、趣味の時間を
過ごすだけでもいいのです。手を握って空をともに見つめたり、術後のリハビリをともに
したりするのもよいでしょう。同じ空間にいれば、自然と会話する機会も増えます。ちい
さな呟きが会話につながることもありますし、何気ない日常会話から、お互いの思いを話
すきっかけにつながることもあります。まずは、空間を共有することからはじめてみてく
ださい。もし、からだ的に難しいであれば、寝室の場所を工夫したり、家族でまったり過
ごす時間を決めてもいいかもしれません。

■家族それぞれの楽しみを尊重する
奥さんであれば、「美容院に行く」「ゆっくりショッピングを楽しむ」など、家族の趣味
の時間をつくってあげてください。患者家族は、第2の患者だといわれています。それほ
ど、家族もたくさんの悩みや不安を抱え、状況の変化に一喜一憂しながら、ともに頑張っ
ています。そのため、現状に目がいきがちになり、家族自身が、自分のストレスの重さに
気づきにくくなっているケースもたくさんあるのです。この状態が続くと、なにかの拍子
に気持ち我「すとん」と落ちてしまう、または突然感情が爆発することにもつながります
。できる範囲でよいので、家族が趣味の時間をつくれるよう、家族にあうアプローチをし
てみてください。

■日記をつけ、ともに試行錯誤していく
胃がんや大腸がんにおける切除術後の食生活や排泄習慣、舌がん切除・全摘後の嚥下や構

音機能の低下による食事形態や家族間のコミュニケーション方法など、術後に生活が大き
く変わった方、いらっしゃるのではないでしょうか。そして、その変化に戸惑っている方
も。
そんなときは、術後の体の変化や、以前との生活の違いなど、日々感じたこと、気づいた
ことを、ぜひ日記に書いてみましょう。それを家族とともに見返すのもよいかもしれませ
ん。できるかぎり家族間で日記の情報を共有し、変化に対する対処法を一緒に探してみて
ください。過去を文字で見返していくことで、見えてくるものはたくさんあります。
がんによる生活の変化は、大なり小なり必ずあり、そのなかには、家族と接し方や関係性
の変化も含まれます。ですが、それはお互いの存在大切だからこそ起こるものではないで
しょうか。不安もたくさんあると思いますが、あなたが大切にしている家族です。きっと
、受け止めてくれると思いますので、ともに過ごす時間をつくり、少しずつでも気持ちを
伝えていくようにしましょう。

看護師
竹田
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