今回は前回の続きで、術後の運動の話をしていきたいと思います。

■術後早期
術後早期に関しては入院中のため、リハビリテーションスタッフや看護師が運動の指導を行う
と思われます。自分で行う運動ではないのですが、どのようなことをするかお伝えします。

1.呼吸訓練・呼吸方法の指導
術後は痰(たん)が多く気管が閉塞しやすいため、第2回で説明した咳をすることで行い痰を
出します。術創が痛くて咳がしにくい場合は、痰を出しやすくするような薬を飲む、また理学療
法士が排痰介助を行い、痰のなどの吐き出しを手伝います。

2.早期離床
手術後のため血圧や心拍数、術創の疼痛を考慮し、可能な限り早期にベッドから離れます。
具体的にはベッド端に足を下ろして座る、また車椅子に乗ったり歩く練習を行ったりします。

3.持久力訓練
上記の早期離床が可能となれば、持久力の訓練を開始します。具体的にはトレッドミルという
機器を使用したウォーキングや自転車エルゴメーターで有酸素運動を行います。

■退院後
退院後には全身状態は比較的安定しているため、持久力訓練や筋力増強訓練を中心に実
施していきます。

1.持久力訓練
持久力訓練ではウォーキングが中心となると思われます。退院直後は無理のない範囲で徐
々に運動時間を延ばしていくと安全で、まずは5分からでも良いので日々運動をすることを心
がけると良いでしょう。負荷量の目安として歩きながらおしゃべりができるくらいの歩行速度や
時間を設定します。息切れをしておしゃべりができないくらい運動することは過負荷と考えら
れます。

◎筋力増強訓練
筋力増強訓練では自分の筋力に合わせて負荷量を調節しながら実施すると効果的です。入
院中はリハビリスタッフの指示のもと負荷量を設定し実施します。退院後の自主トレーニング
では1kgの重錘を使用して運動を開始し、慣れてきたら500g〜1kgずつ重錘を追加して実施す
ると良いと思います。例えば、手首に重錘を巻いて前から手を挙げる運動(肩関節の屈曲)、
また肩を外から挙げる運動(肩関節の外転)や、足首に巻いて座った状態から膝を伸ばす運
動(膝関節の伸展)を10回連続目指して行うと良いでしょう。

■最後に
上記で述べた運動を行うことで筋力・持久力の維持や向上する可能性があります。しかし、が
ん患者は日によって体調が良くない日もあると思われます。その日の自分の調子を考慮して
運動の選択、負荷量の調節が必要ですので、無理のない範囲で行うように心がけると良いで
しょう。

理学療法士
津田
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