母が乳がんになって、色々な事を考えさせられました。
家族のこと、命のこと、がんという病気に関して、そして治療や、それにかかる費用のこと、本当に色々な事を考えました。

がんという病気は、よく耳にする割とポピュラーな病気で、2人に1人がなると言われているし、死亡率1位だし、決して「自分は関係ない」とは思っていませんでした。
しかし、実際に母が乳がんになったのが分かれば、それは勿論不安になるし、恐れも感じるし、その母の闘病の様子を間近で見ていれば、代わってあげたいくらい辛そうですし、手術前には祈るような思いで過ごしました。

私は成人して社会人として働いてもいました。
しかし、結婚していたわけでもなく、実家に居座っていたので、立場的には、まだ子ども。

母の治療費や入院費、手術のお金などの事は、全て両親でやりくりしていました。
私は自分の家の家計事情がよく分かっていません。
父がある程度きちんと稼いできてくれたおかげで、多少なり余裕のある生活が送れているというのは知っていますが、しかしどのくらいの貯蓄があるのか、不足の事態にどれだけポンとお金を出せるのか、全く分かっていませんでした。

ちらほら聞いたところによると、高額医療費制度というものがあって、がんなどの大病をしても、その人が人間らしい普通の生活を送るために必要な資金を根こそぎもっていかれるなどという事が無いような取り計らいが国レベルでされているそうではありますが、それでもやはり痛い出費が重なるのは避けられません。

母はがん保険に入っていたそうなので、そこから大分助けてもらえたそうです。
2人に1人がなるというならば、がん保険には入っておいた方が良いのかな、と思いました。

それにしても、病気になったり怪我をすると、これだけお金がかかってしまうというのは、なんともいえない不安を煽ります。
税金をぐぐんと上げても構わないから、医療費とか、教育費とか、人間が人間たらしめるために必要なものに関しては国がバッチリ体制でサポートしてくれるようになると良いのですが、なかなかそうも言っていられないので、個人レベルで、将来大病をしても食いつないでいけるよう貯蓄はきっちりやっておかないと、と思いました。

母は無事がんとの闘いを制して、今はもうすっかり普通の生活を送っています。
何事にも前向きで、がんになった事を決して悲観しなかった母は、闘病中も普段となんら変わらない態度で生活していました。本当に強くたくましい女性なんだな、と改めて母の事を尊敬しましたし、こんなお母さんの子である事を誇りに思いました。

がんになった事を告げられたら、落ち込んだり、怖がったり、取り乱したり、悲観してしまったり、そんな方がきっとほとんどだと思います。
そしてそれは仕方ないことだとも、思います。
母はそういう意味では、どちらかというとかなり珍しいタイプだったのでは、と思っています。でも、同時に、そのポジティブさがあったからこそ、挫けずに最後まで果敢に闘い続ける事ができたのだろうな、とも思うのです。

病は気から、という言葉もあながち間違いではない、というか、気持ちの面で病に打ち克つというのが、案外キモになるのかもしれないな、というのが、母が乳がんと闘う姿で私に教えてくれた大病との闘い方でした。

がんの患者会
母と家族のガンとの闘病記

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