皆さんこんにちは。前回は「福祉用具貸与」「福祉用具購入」「住宅改修」という「生活をするた
めの道具や環境を整備するサービス」についてご説明しました。今回は「自宅以外の住まいと
して入居して利用するサービス(施設サービス)」についてご紹介いたします。

【自宅以外の住まいとして入居して利用する代表的なサービス(9種類)】
・特別養護老人ホーム ・介護老人保健施設 ・介護療養型医療施設 ・認知症対応型共同
生活介護(グループホーム) ・特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホーム) ・在
宅型有料老人ホーム ・軽費老人ホーム ・養護老人ホーム ・サービス付き高齢者向け住宅
以下にこの内容をご説明したいと思います。

【特別養護老人ホーム】
・最も重度の要介護者を中心に生活全般の介護(食事・入浴・排泄)や健康管理やレクリエー
ションなどを入居の形で行う施設です。この施設は一般的に「要介護3」以上の区分の人から
申し込みができます。しかし、ご本人の状態により要介護3以下の区分でも申し込みが可能に
なる場合がありますので、各施設へお問い合わせください。

・医療的なケアに関しては施設の協力医療機関による往診が一般的です。日常的な健康管
理に関しては施設の看護師が対応しています。

・近年施設では「看取り」を行う体制もできています。入居者の中には末期がんも含め医療依
存度の高い人も多く、体調の急な変化は避けられません。しかし、苦痛を伴う積極的な延命
治療を望まない人も多くなり、各施設では「クオリティ・オブ・デス」(死の質)を考えるようにな
りました。

・従来の施設では100人規模の受け入れベッドのある多床室の施設が存在しましたが、近年
ではプライバシーの保護と自分の住まいという観点から個室の施設がほとんどです。

・ユニットケアと呼ばれる10人程度の小規模な単位で利用者の暮らしを支える取り組みが増
えていますので、きめ細かく配慮できるケア体制が取られることで、サービス利用者も顔なじ
みになる環境が生まれて安心感を得ることにもつながっています。

・要介護3の人が特別養護老人ホームの入居サービスを利用した場合、施設サービス費とし
ての自己負担額は1日あたり682円になります。(従来型個室を利用し負担割合が1割負担の
人の場合です。住所地により費用に変化があります)

・この他に、利用した分の居住費や食費、日常生活費などの自己負担もあります。

※費用に関する情報は、「厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報
公表システム 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の施設サービス費を参照
http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group14.html)」

 施設の中でも最も代表的な特別養護老人ホームのご説明をさせていただきましたが、私は
「施設サービス」の話題を出す際には、他の社会福祉サービスのご説明をする時は違う緊張
感を持ってお話をさせていただきます。なぜなら施設サービスは、今までの住まいを離れ、新
たな環境に身を置く大きな決断が伴うからです。例えば決断の過程においてサービス利用の
当事者からは「自分が邪魔だから施設に追いやられる」と思う人や「家族に迷惑がかかるか
ら自分が施設でお世話になりたい」と思う人もいます。また施設サービスの利用を考えている
ご家族やご親族からは「働いているから医療的・介護的な支援ができない」と思う人や「自宅
での医療的・介護的な支援が身体的・精神的に負担である」と思う人もいます。そしてそれら
両方の思いは当たり前に存在します。

施設サービスを考える際に必ず起こりえるさまざまな決断は、決して心地よい感情だけでは
ない思いも表面化することがありえます。病状としても、年齢としても生き方や暮らし方を考え
決断する時期において、今まで見えなかったことや見たくなかったことに直面することが増え
て戸惑うことが多くあるかと思います。ですが、これらの制度やサービスは決して利用するこ
とで不幸せにするために存在しているのではなく、あくまでも地域で暮らす私たちの1つの暮ら
し方・住まい方の手段に過ぎません。今後も施設サービスを含めた社会福祉に関してご説明
をしていきますが、皆様の生き方を考えるタイミングにおいて、生きることを支える社会福祉士
として、制度を使うことを目的にせず、制度を活用してより良く暮らすことの背中を押すことが

できれば幸いです。次回も施設サービスについてご紹介いたします。

社会福祉士
佐々木

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