がんの医療を受けて医療過誤に遭った場合、医療過誤訴訟を起こしたり、病院相手に調停を
申し立てたりすることがあります。調停や訴訟を起こすと、どういった手続きの流れになるの
でしょうか。今回は、医療過誤訴訟と調停の違いや手続きの流れについて、解説します。

1.調停と訴訟の違い
調停も訴訟も裁判所を利用した手続きですが、この2つは、全く異なるものです。
調停とは、裁判所において、当事者同士が話し合いをすることにより、トラブルを解決する方
法です。調停では、申立人と相手方が合意しない限り、問題を解決できません。ただし、証拠
がない場合でも、相手が合意さえしてくれれば和解金を支払ってもらえます。
これに対し、訴訟は裁判所が強制的に解決方法を決めてしまう手続きです。
訴訟の場合、相手が合意しなくても、こちらがきちんと権利を主張して立証できれば、裁判所
が相手に対し、賠償金の支払い命令を出してくれます。ただし、証拠がないことは認められま
せん。

2.調停の流れ
調停をするとき、まずは簡易裁判所で調停を申し立てます。すると、裁判所で調停期日が決
まり、呼出状が届きます。決まった日に裁判所に行くと、調停委員を介して、相手と話し合うこ
とができます。
一回の調停で合意できない場合、何度か調停を繰り返します。
最終的にお互いに合意ができれば調停が成立して、決まった通りに支払いを受けられます。
相手が調停に従った支払いをしない場合、相手の資産を差し押さえることも可能です。

3.医療過誤訴訟の流れ
訴訟を起こすときには、裁判所に「訴状」を提出して、相手を訴えます。
すると、裁判所から双方に呼出状が届き、相手から反論の書面(答弁書)が提出されます。
その後、月に1回くらいの頻度で期日が開催されて、お互いが主張と反論を行い、争点を整理
していきます。

最終的に争点が整理できた段階で、当事者尋問や証人尋問を行い、結審します。
その後1カ月程度で裁判所が判決を下し、最終的な結論が出ます。原告が、きちんと法律的
な主張と立証をできていれば、裁判所が相手に対し、支払い命令を出してくれます。
相手が判決に従わない場合、相手の資産を差し押さえて賠償金を回収することができます。
以上が、調停や訴訟の概要と流れです。今後、医療を受けるときの参考にしてみてください。

医療ジャーナリスト(法律家)
福谷 陽子
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