がん患者は治療や疾患の進行の過程でさまざまな障害が生じてきます。例えば
、筋力の低下や関節の拘縮、からだの痛み、嚥下障害(飲み込みにくさ)など
があげられます。これらの障害が歩行や日常生活動作(Activity of Daily
Living;ADL)、手段的日常生活動作(Instrumental Activities of Daily
Living;IADL)の制限となり、生活の質(Quality of Life;QOL)が低下すると
考えられています。

つまり、がん患者が運動をすることはQOLを維持するために上記で述べた障害
を可能な限り防ぐ、または進行を遅らせることにあると思われます。ではいっ
たいどのような運動を実施すればよいか、何に注意すればよいかという問題が
あります。がん治療の過程で病院に入院しているのであれば理学療法士や作業
療法士、言語聴覚士の専門的なリハビリテーション(以下リハビリ)を受けて
いただきたいとおもいますが.外来で治療をしている人はデイサービスや自宅
で自ら運動をする方法があげられます。

がんといっても、肺がんや乳がん、前立腺がん、血液腫瘍などさまざまな種類が
あり、それぞれのがんに合わせた運動の種類や効果は第2回以降に述べるとし
ます。全体的にいえることは有酸素運動と筋力増強訓練、ストレッチを安全に
行うことができれば良いということです。そのためには自らリスク管理をしな
くてはなりません。入院中に専門的なリハビリを受ける場合には、療法士が運
動の中止基準を考慮しリスク管理をします。自分で運動する際に気をつけてい
ただきたいことは、5つです。

①貧血でないこと→頭がふらふらしないか、立ちくらみがないか
②からだに過度な痛みがない
③安静時から呼吸困難感が強い
④頻脈→動悸や心臓がドキドキする
⑤発熱がないか

その他にもあげられますが、自分が運動すれば危ないと少しでも思うのであれ
ば中止、または相談できる専門職の人が近くにいれば相談していただくと良い
と思います。

−まとめ−
・がんの治療の過程でADLは低下する
・がん患者であっても体調に気をつけて運動すればADLの低下を抑制、または
 向上することができる

理学療法士
津田
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