抗がん剤の副作用や、突然の盲腸など、色々な事がありましたが、どうにか半年間の抗がん剤治療を終え、満を持して、手術をする事になりました。

手術前に主治医の先生から家族全員に話があるというので、また会社を早退して病院へ。

そこで聞かされたのは、ちょっと驚きのひと言でした。
なんと、直近の健診で、がん細胞が消えて無くなってしまっているらしいというのです。

もう死滅してしまった可能性が高く、このまま摘出手術をしないという選択肢もある、と説明されました。
ただ、もちろん本当に完全に死滅してしまったかどうかの保証は全く無く、こればっかりは摘出手術をした場合に、その細胞を採取して検証してみないと分からないという事でした。

母はそれを聞いて「取っちゃってください」と即答。
何の躊躇もなく、そのまま予定通り摘出手術を受けることになりました。

それにしても、抗がん剤の威力たるや、本当にすごいもので、なんだか圧倒されてしまいました。あれだけ副作用が出て苦しんだのだから、それだけの効果があったという事なのでしょう。
身体を痛めつけただけではなく、ちゃんとがん細胞も攻撃してくれていたのです。

最初に先生から治療法などの説明を受けた時には、活発ながん細胞で、事態は一刻を争う、他に選択の余地は無くすぐにでも抗がん剤治療を開始すべき、と言われ、これは大事だな、と内心ヒヤヒヤしていたのですが、すぐに抗がん剤の治療を始めて良かったという事なのでしょう。
本当にがん細胞を封じ込めることができて、ほっとしました。

そうはいっても、安心できないのが、がんの恐ろしいところです。
「再発」という言葉をよく耳にします。
完治したと思っても、いつ再発するか分からないがん。

それを、多分全部死滅したんだけど、もしかしたらまだ残党がいるかもしれない、という状態で放置するのは正直あまりにもリスクが高すぎます。
母が「取っちゃってください」と即答した時には、先生は少し意外そうな表情をしましたが、私たち家族も、うんうん、という気持ちで母の選択を見守っていました。

がんの患者会
母と家族のガンとの闘病記

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