母は、闘病中に、がん患者さんのコミュニティに参加していました。

2人に1人はがんになると言われる日本。
乳がんは11人に1人と、これも結構高い割合だと感じるのですが、他のがんもひっくるめるとこんなにも沢山の人ががんになるというので、実は身の回りに結構がん患者さんって多いんです。

超早期発見で、日帰り手術で摘出して少しの期間だけ経過観察して完治、というラッキーな方もいらっしゃれば、現在も闘病中という母のような方もいて、もう末期であとは時間の問題という方も参加していたり、再発してしまったという方や、自分はがんになってはいないけれど家族ががんで亡くなってしまったり、家族が闘病中だったり、そんな方も、実に様々な方が参加しているコミュニティでした。

私も一度だけ、たまたま仕事が休みで他の予定も何もなかった時にお邪魔させてもらいました。

活動は主に、話をする、という事。
自分が抱えてきた、あるいは抱えている悩みや問題を吐露するんです。
聞き手は、余計なアドバイスや自分の意見は言わずに、ただ傾聴します。
もちろん、アドバイスを求められたり、経験談を聞きたいと言われたりした場合には、そこに会話が生じて、意見のやりとりが始まります。

このアウトプットの作業は、とても大事なことです。
抱え込むのは良くないのです。

「カタルシス効果」とも呼ばれていますが、これは何もがんに限って言えることではなく、不安やストレス、イライラ感や不満などを吐き出す事により、気持ちを安定させる効果の事をいいます。
誰かに愚痴を言えば、問題が根本的に解決したわけではないのにスッキリした気分になって、その問題自体もどうでもよくなってしまう、という現象です。

がんにおいても、この行動と効果は大変有効で、自分が抱える不安、治療の辛さ、未来への絶望感などをとにかく吐き出し、聞き手に寄り添ってもらう事で、心の安堵を得られるのです。

色々な方が色々な話をしてくれました。
親子そろって同時期に乳がんを発病してしまった方の話を聞いて、母が「あんたもちゃんと健診は受けておきなさいよ」とポツリと呟いたのが印象的でした。

若いからといって安心はできない。
とにかく早期発見が大事。

そんな事は分かっていても、母が乳がんになっても、なんとなく自分には無関係なような気がしていて、のんびり構えていましたが、こうして目の前で、実際に生の声を聞くと急に現実味が湧いてきて、いつがんになってもおかしくないんだと痛感しました。

がんの患者会
母と家族のガンとの闘病記

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